「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「漫画の奥義 作り手からの漫画論」(手塚治虫)

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昭和の終わりに漫画の神様、手塚治虫が亡くなった。美空ひばり石原裕次郎とほぼ同じ。まさにひとつの時代が終わったカンジがしたよね。さてこの本。
 
漫画評論そのものに批判的だった手塚治虫が、初めて漫画論に関わった一冊。手塚漫画のルーツ、自らの創作の秘密から漫画の未来まで、死の直前に病をおしてまで伝えたかった思い、願いが込められたマンガの神様、最後の対論」そのエッセンスを紹介しよう。
 
多くの方々が漫画とアニメーションを同じようなものと、思っていることです。これは誤解なんです。この二つはまったく別のものであるということなんです。まったく違った魅力をもったもので、ジャンルでいえば、芝居と音楽といったくらいに違うものなんです。
 
・漫画の歴史をひもとくと、漫画というのは、評論するということに堪えない文化財であって(つまり、底辺の雑草文化財として)それまで問題にされなかったという背景はあります。それがやっと漫画も評論するに値する地位に達したというのが、戦後の漫画ブームがおこってからなんです。
 
漫画家の生活というは、行動範囲が狭いんです。アトリエと出版社と飲み屋とコーヒーショップという図式になっていましてね、自分の描いている雑誌以外は見る機会がまったくないんです。かつては、他の人の漫画がのっている雑誌を読むことはあったかもしれませんが、今はありませんね。
 
・(手塚治虫手塚という人間は、アシスタントや弟子に決して親切にふるまわないんです(笑)。たいへん冷淡で、冷酷ですよ。何も教えませんし。本当にほったらかしで、二年たてばほうり出し“おまえたち独立しろ”とそういう教えですよ。ぼくのところに来て何を勉強してもらうかというと、手塚という人間の性格を勉強してくれ、といっているんです。つまり、手塚がどういうふうに漫画を描いて、どういうふうに人気がでたかということではなくて、手塚がなぜ四十年も漫画にしがみついているのか、それを勉強しろというわけです。そこには手塚のむきだしの人生観とか、人間性とか、欠点、長所なんていうものがあるだろうから、それを研究してみろとね。そのかわり、ぼくはおまえたちをしかりとばすし、あやまるし、それを研究してみろとね。
 
・小学校時代の乾先生は、当時すでにキナクサイ世の中になる頃でしたが、「手塚、おまえは何があろうと漫画家になれ」といってくれたんです。戦争中は、他に何もできなかったから。昆虫採集と漫画がぼくの喜びのすべてでしたね。
 
ぼくの漫画は、ものみなすべて映画からとっているわけでして、それがなければおそらくいまのぼくの漫画はなかったと思うんですつまり映画をただ絵にしたというところから始まっているんです。
 
チャップリンが偉大な点というのは、もちろんあの人の資質にもよるんだろうけれども「食う」「寝る」「住む」という三要素に絞っている。「お色気」とか「知識欲」とか「名誉欲」とかは二次的なもの。その3つが人間のすべてだと思う。チャップリン自身は俺の体験からきているんだといっているけど、ぼくはそこにたいへんは計算があると思うんです。
 
・チョコレートは、好きというか、徹夜するときには、やらに食うわけ。タバコを吸わないかわりに、イデアを立てるときに甘いものがほしい。食わなきゃならないんじゃないの。そういうのが伝わって、冷蔵庫にチョコレートが必ず入ってるんあてなっているんじゃないの。べつに好きということじゃない。
 
北沢楽天岡本一平」「下川凹天の『男やもめの巖さん』」「島田啓三」の『冒険ダン吉』「大城のぼるの『火星探検』」「井上一雄の『ゆかいこぞう』」「杉浦幸雄の『インテリゲンちゃん』」「南部正太郎の『Q太郎青春メモ』『ヤネウラ3ちゃん』」など。

 

やっぱり手塚治虫は偉大だ。まさ作品を再読しようと思います。オススメです。(・∀・)

 

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