「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「手塚治虫 僕はマンガ家」(手塚治虫)

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手塚治虫―僕はマンガ家 (人間の記録 (100))

手塚治虫―僕はマンガ家 (人間の記録 (100))

  • 作者:手塚 治虫
  • 発売日: 1999/02/25
  • メディア: 単行本
 

小学生低学年の頃、初めて読んだ手塚作品は火の鳥。あまりのスケールにデカさに子どもながらビックリした。そして少年チャンピオンブラック・ジャック」そして少年ワールドの「ブッダ」!!!大人になってからは「アドルフに告ぐ」「陽だまりの樹」「ルードヴィッヒ・B」「きりひと讃歌」など、名作揃い!(・∀・)

 

鉄腕アトム」「リボンの騎士」「火の鳥など、国民的人気漫画を生み出した、戦後漫画界最大の巨星・手塚治虫。パイオニアとしてマンガ文化の可能性を切り開いた彼の自伝」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
・文字は、人間が学習して得るものだ。しかし、絵は、文字を知らない幼児でも描いている絵はなにより意志の疎通、表現に役立つ。しかもかんたんな略画で間に合うのである。お先真っ暗で、不条理で、そのうえ不安定な現代生活の中に抑圧され、鬱積したものを、いちばん手つとり早くいちばんはっきり周囲に訴える手段……それは、結局、漫画とよばれている表現法ではないかと思うのだ。
 
・ぼくのペンネームに「虫」がついているのは、オサムシという虫の名を借りたものである。小学五年生のときつけたのだ。当時のぼくは、徹底した昆虫マニアであった。ところが、これを相手がなかなかそう読んでくれなくて閉口した。ぼくへの手紙の宛名も「治虫」と書いてくれずに、たいがい治忠」と書いてくるのである。ひどいのになると「手塚泣虫」と書いたのがあった。いくら税金では泣かされているとはいえ、泣虫というのはひどい。差最近、久しぶりに宝塚遊園地の昆虫館を訪れたら、陳列室のオサムシの標本棚の所に、見学に来た学生のしわざででもあるのか、万年筆で「手塚」と落書しているのを発見した。光栄至極でった。
 
加藤謙一氏はニコニコして張り切った。本の名は漫画少年創刊号の編集は着々と進行した。加藤氏は、創刊のことばを書いた。
 
漫画は子どもの心を明るくする。
漫画は子どもの心を楽しくする。
だから子どもはなにより、漫画が好きだ。
だから「漫画少年」は子どもの心を明るく楽しくする。
漫画少年」には子どもの心を、清く、正しく育てる、小説と読み物がある。
日本の子どもたちよ、「漫画少年」を読んで、清く明るく正しくのびよ。
 
この漫画少年の学童社が、戦後の漫画ファンにとって拠点となり、この雑誌から輩出した児童、おとなもの漫画家は数知れず、子供漫画ブームの今日を招く基礎をつくったのであった。
 
「先生、えらい天才が京都で見つかりましたぜ」そのえらい天才というのは、京都の新聞に大きく紹介されたモリミノルという、京大生であった。どんなすばらしい漫画なのか見たかった。だが、残念ながら、モリミノル氏は、不二書房の近刊広告に名前を出したきり、作品も見せてもくれず、そのまま写楽のようにフッと消息を絶ってしまったのである。そして、十数年のたってから、かれは、SF小説ファンの前に突如として現われたーSF作家、小松左京と名のって……。
 
・ぼくは、大阪大学で医学の勉強もそっちのこえで漫画を描いていた。やがて臨床実習が始まって、われわれは、予診をとらされる。患者がぼくの前にすわると、どうも、その患者の顔が漫画に見えてきて、似顔を描きたくて描きたくて我慢がならなかった。教授がぼくを呼んで「手塚君、君は、このまま医者をつづえても、ろくな医者にはなれん。必ず患者を五、六人は殺すだろう。世のためにならんから医者をあきらめて、漫画家になりたまえ。これは、君への忠告だ」
 
・編集者仲間では、ぼくのことを陰で、手塚おそ虫(原稿がおくれる)とか、手塚うそ虫(締め切り通りに描きますと約束しては、ちっとも守らない)とか呼んだ。
 
その他、「独立漫画派の誕生」「ヒョウタンツギのこと」「台頭する人々」「鉄腕アトム誕生」「泣いた編集者」「「イガグリくん」ヒットと福井英氏一の死」「漫画荘の住人たち」「白土三平生まれる」など。
 

やっぱり手塚先生は偉大だー!!!文章もいいよね。漫画ファン必読っ!オススメです!(・∀・)

 

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手塚治虫―僕はマンガ家 (人間の記録 (100))

手塚治虫―僕はマンガ家 (人間の記録 (100))

  • 作者:手塚 治虫
  • 発売日: 1999/02/25
  • メディア: 単行本