「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「深夜の双星(「黄昏流星群セレクション」より)」(弘兼憲史)


私の好きな漫画家の一人、弘兼憲史氏。中でも一番好きな作品が「黄昏流星群」だ。

どの作品も中高年、老年の恋愛がキーワード。様々な人間模様を紡ぎ出していく。いくつか映像化もされているようだ。


「40歳を超え多くの大人達は、死ぬまでにもう一度、燃えるような恋をしてみたいと考える。それはあたかも黄昏の空に飛び込んでくる流星のように、最後の輝きとなるかもしれない。この熱い気持ちを胸に秘めつつ、落ち着かない日々を送る大人達を我々は……「黄昏流星群」と呼ぶ。」


中でも最も好きな作品「深夜の双星」を再読してまた感動!そのエッセンスを紹介しましょう。


夕方6時から明け方の6時まで開いている食堂「犬屋」の主、愛称は「コーちゃん」こと大屋康介。今日も三ヶ月分滞納した家賃の催促の電話がかかる。そこに常連客の60代の女性がやってくる。ふとした会話で八ヶ岳に別荘を持っていることがわかる。

「こんな時間によくこの店にくるけど、何の仕事をしてんだ?」

「当ててごらん」

「当てたら何かくれるか?」

「そうね、一発で当てたら100万円あげる。そのかわりはずれたら……

「はずれたら何だ?」

今晩、私の部屋に来て私と寝る、ってのはどう?

(マジかよ!!)

しかし、まあ、はずれでも一回やれば済むことだ。美人だろうが、婆だろうがセックスなんてのは大して変わりはない)OKだ」

掛けに外れて、その夜、約束通り女性と関係を持ち、お礼に100万をもらうコーちゃん。

後日テレビでその女性が売れっ子作家・浮世美砂子だとわかる。その後女性からの申し出。

月50万出すから私の山梨の別荘の管理をしてくれない?条件は、毎週末に10名前後の人間が集まってパーティーをする、その料理を担当すること。そして日曜日の夜、抱くこと。

毎週繰り広げられるパーティー。しかし美砂子はあまり楽しそうにしていない。いや、もしかしたら深夜の俺の店にいる方が居心地がいいのかもしれない。彼女が安らぐのは連中が帰って俺と二人きりになる日曜日の夜の時間だけだ。美砂子が日増しに俺にのめり込んでくるのがわかる。彼女にとって俺は「最後の男」と思われているのかもしれない

月曜から金曜まで何もせずゴロゴロしている彼のところに、酔っぱらい女・マキがやってくる。そこにサプライズでやってきた美砂子が現場を覗き見してしまう。
静かに東京に引き返す美砂子。


後日、弁護士から連絡がある。美砂子が飛び降り自殺し、遺書に別荘を遺贈したいと書いてあったのこと。その際、美砂子からコーちゃんあての未開封の手紙を渡される。

「親愛なるコーちゃんへ。この手紙が届くころは私はもうあの世に行っています。びっくりさせて、ごめんね。実は……」その内容とは……。


ああ!グッと来るなあ!泣けるなあ!(T_T) 

特にラストの一コマにジーン……ときてしまう…。うーん、いいなあ!「黄昏流星群」 いつまでもずっと恋心は忘れないでいたいよね。オススメです。(・∀・)