「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「オレとO・N」(野村克也)

私が子どもの頃のスーパースターといえば、長嶋茂雄王貞治のONコンビだ。(・∀・)

しかし、今の若い人は、この二人がいかに偉大だったかを知らない人も多い!これは野球界の損失である!そして今、天下のONの打撃論・監督論を語れるのは、そのような多くの戦いを繰り広げてきた野村監督しかいない!

ONとはどのような存在であったのか、そして、ONに代わるのは誰か?そのエッセンスを紹介しよう。


・77年(昭和10年誕生)におよぶプロ野球の歴史のなかで、最大にして最大のスーパースターがON、すなわち王貞治長嶋茂雄の二人であることは論を俟たない。しかし、いまやそのONの現役時代を知らない人たちが増えている。ONと切磋琢磨した人間のひとりとして、このプロ野球史上最高のスーパースターコンビについて何らかの記録を残しておくこと、ふたりがいかなるプレーヤーで、どのような存在であったのか、彼らは日本のプロ野球に何をもたらしたのかといったことを、当時の記憶もからめながら記しておくことは、プロ野球の歴史とともに生きてきた私の使命のひとつであり、義務ではないか。そう考えるようになった。それができるのは、もはや私しかいないのではないか。




・1958(昭和33)年、兵庫県明石での春季キャンプの初練習は、月曜日なのにもかかわらず、4,000人もの観衆がつめかけた。阪急ブレーブスとの最初のオープン戦は、試合開始は午後だというのに、朝の5時には3,000人のファンが行列をつくっていたという。とにかく社会現象といっても過言ではない、すさまじいまでの長嶋人気だった。


初対決における長嶋の印象としてもっとも強く残ったのも、スイングスピードの速さだった。「見逃した」と思ったら、突然目の前にバットが現れた。つまりボールがキャッチャーミットにおさまる寸前にバットが出てきたのだ。スイングが速いので、それでも十分間に合うのである。


・長嶋「ぼくはヤマ張りも予測もなく、ただ『来た球を打つ』という技術を身につけていたんです」彼はストレートのタイミングで待っていても、変化球に咄嗟に反応できたのだ、おそらく身体が勝手に反応したのだと思う。だからこそ、間違いなく天才なのだ。


「燃える男」の正体とは「並外れた集中力をもつ男」のことだ。だからこそ、天覧試合でサヨナラホームランを打つことができたし、日本シリーズでも打率4割を超えること4度、MVP獲得4回などという芸当ができたに違いない。


・「アンパイヤや観客のみなさんの目には、ストライクゾーンを大きくはずれているように見える球でも、ぼくが『来た!』と思えば、それは、ぼくにとってはストライクだったんですよ。逆に、調子によっては、ど真ん中の球がボールに見えたりもしたわけで」「自分でいうのも変ですが、ぼくはバッターとして非常におもしろいタイプだったと思いますね。相手のバッテリーのにとっては、どこへ投げたらいいのかわからない、不気味で不思議なバッターに思えたでしょうねえ」


・「両雄並び立たず」同じくらいの力量をもつ英雄がふたりいると、共存するのは難しく必ず争いが起きるという意味である。しかし、ONには当てはまらなかった。王と長嶋は見事に並び立った。それがなぜ可能だったのかといえば、ひとつは長嶋の言動が常識では計り知れなかったということも無視できないだろう。やはり王の性格というか、人間性によるところがいちばん大きいと私は思う。


13年連続ホームラン王のホームランバッターと首位打者6度のアベレージヒッター、左と右、天才と努力家、自然児と求道者、静と動…ONは対照的でありながら、絶妙にして、まさしく理想的なコンビであった。ふたりで打点王のタイトルを17年、ホームラン王を14年、首位打者を11年、このふたりが占めている。こんなコンビは空前絶後だろう。


・長嶋「何がプロ的ということになるんだけど、要するに表現力ですプロ野球の場合、プレーをお見せすることによって、皆さんの支持、支援をいただき、そして共感をいただく。感動を抱かせる。それがプロたるものの使命であり、姿勢である。そんなふうに考えて、学生時代から一生懸命勉強していたわけです」「野村さん、『人気』ってどう書きます?『人の気』って書くでしょう。だから難しいんですよ。人の気をつかみ、動かすってことは大変なことなんですよ


・王「われわれは、素人にはとてもできそうにないプレーを確実にやってのこえること、素人がやれば超ファインプレーになってしまうような難しい球でも、ごく平凡に処理するのがプロだと教えられて、その通りにやってきた」


いいなあ、あの頃を思い出すねえ。いつまでも永遠のヒーローだね。オススメです。(・∀・)