「買い物難民」という言葉を最近よく聞くよね。(・∀・)
市議会議員だった著者が、新たなビジネスとして仲間と始めた、「移動 スーパーとくし丸」の奮闘記がこの本。ソーシャルビジネス創業のノウハウや意義、社会問題としての「買い物難民」の現実、その背景にある政治・行政の問題点、将来 あるべきビジョンなどが存分に語られている。そのエッセンスを紹介しよう。
・二台の軽トラックで、私の家の周辺をトコトコ走ることからはじまったこの「移動スーパーとくし丸」が、今、徳島県内で10台(2014年5月現在)、さらに県境を超えて京都、高知、東京、広島、福島…と拡がって、全国の買い物難民の解決を具体的に貢献しはじめています。机上で考えた理論が、三年間汗を流すことによって、ようやくカタチを見せてきたのです。このとくし丸モデルが全国に広がることによって、数年後には、買い物難民という言葉は、日本の社会問題リストから削除されていることを確信しています。
・私が市議会議員の選挙のあいさつ回りで近所を歩いている時も、何人もから「近所のスーパーを作ってほしい」と陳情されましたが、なすすべもなく現実に深刻な状況だったのです。また同じ町内会に、足が悪く自由に動き回ることができない高齢の人に「今年はまだサンマを食べてないわ」というのです。足が不自由でスーパーに買物に行けなくて、仕方なしに近所にあるパン屋さんでパンばかり買って食べている、というのです。
・最近ではネットスーパーなどもありますが、たいていの高齢者はまだまだインターネットなどは使えません。一番シンプルでわかりやすく、満足度も高いのが「移動スーパー」なのです。ややこしい手続きなどなく、実際に見て買えるスーパーが週に二回、玄関先まで来てくれるのですから、これほど便利なお買い物手段は無いのです。
・とくし丸には三つの基本理念があります。
1 「命を守る」食は人間が生きていく上での一番の基本です。その食材を手に入れるのが困難な人たちに、安心を届けるのが私達の一番のミッションなのです。このミッションから自ずと「見守り」や「コミュニティの復活」などが派生してきます。
2 「食(環境)を守る」地域資本のスーパーを応援をすることです。地元に密着した地元資本のスーパーが少しでも元気を出せるように、売上に貢献しようというのです。
3 「職をつくる」ビジネスの要は「販売パートナー」と呼ばれる、移動スーパーのオーナー経営者なのですが、社会貢献の意識が高く、独立した仕事を志望される方の「仕事づくり」をサポートしようということです。
いいねえ。お役に立ちながらビジネスになるなんて!オススメです。(・∀・)!