「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「百年法(上・下)」(山田宗樹)



いや〜!スゴかった〜!延べ10日間かけて分厚い二冊を完読しました〜、いや〜!日本の将来について、考えさせられました…。


不老不死が実現した社会。しかし、法律により100年後に死ななければならない―“生存制限法”により、100年目の死に向き合うことになった日本。“死の強制”をつかさどる者、それを受け入れる者、抗う者、死を迎える者を見送る者…自ら選んだ人生の結末が目の前に迫ったとき、忘れかけていた生の実感と死の恐怖が、この国を覆う。その先に、新たに生きる希望を見出すことができるのか!?構想10年。最高傑作誕生」そのエッセンスを紹介しよう。


【生存制限法】不老化処置を受けた国民は処置後百年を以て生前権をはじめとしる基本的人権はこれをすべて放棄しなければならない。


・二十代でHAVI(ヒト不老化ウイスル接種技術)を受けるのが常識の現代、彼らの顔は一様に若い。それでも実年齢はなんとなくわかってしまう。目の輝き、表情の豊かさ、快活さ、前身から漂う雰囲気、そういったものが、本物の二十歳と、HAVIを受けたがゆえに二十歳の肉体を維持している百歳では、違うのだ。


・現代では、HAVIのせいで、「死」は極めて稀な現象になった。身近な死に接する機会はほとんどない。


・親子関係の解消は、ファミリーリセットと呼ばれ、当時すでに広く行われていた。HAVIが導入されてほぼ40年。比較的高齢でHAVIを受けた者は、病死などによって徐々に減少していき、いつしか街からの老人の姿が消え「老い」という概念は過去のものとなりつつあった。それまでの日本に根付いていた、子供が老親の面倒を見るという慣習も意味の成さなくなり、親子関係を存続させる実質的な理由が失われた。


「生存制限法がなければ、社会の中に古い人間がいつまでも存在します。それがいちばんの問題です。肉体は老いなくとも、心は老いる。心の老いた人間は、もはやイノベーションを生み出せない。新しい時代に対応できない」


・母はHAVIを受けて百五年をに達しており、すでにターミナルセンターの案内、通称「お迎えレター」を受け取っている。満百六年となる前日、つまり今年の6月12日までのターミナルセンターに出頭し、安楽死処置を受けなければならない。その期日を過ぎれば、懸賞金付きの犯罪者になる


・「我々は理解していなかったのだ。永遠の生と、その真逆であるはずの死の間には、紙一重の差しかないことを。自分でもそうと気づかぬうちに、その境界を踏み越えてしまったのだよ。生と死の境界を失った者にとって、永遠に生きることは、死ぬことと完全にイコールとなる


現代版「火の鳥のようだ。永遠の命よりも、限られて命の方がいいよね〜。だからこそ、感謝の気持ちが生まれるもんね。映画化のウワサもあるみたい。オススメです。(・∀・)