「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「百年前の私たち 雑書から見る男と女」(石原千秋)


百年前の私たち――雑書から見る男と女 (講談社現代新書)


この本はユニークだ!100年前の私達は、どんな考え方をしていたのか?を探る本。(・o・)私が52歳だからその倍かーっ!


「悩み多き明治大正。昔もいまも変わらない!男女交際法、健康法、立身出世法、蓄財法、セックスと就職と自分探し、いまと変わらぬ明治・大正……。今となっては顧みられることのない数多のハウツー本類=「雑書」にクリアに映し出される大衆の原像を犀利に分析」そのエッセンスを紹介しよう。



百年前の時代の「常識」と現在の「常識」との違いは歴然としている。当時の常識は現在の非常識という感じがする。しかしその一方で、現在も何も変わっていないではないかと思わされることも少なくない。


・この時期の雑書には「現在の人権感覚に照らして不適切と思われる表現」が満載で、それがいかにも無頓着に書かれているのである。それらにまったく触れないでは、明治・大正期の裏街道に書かれているのである。「差別を助長する意図がない」ことだけは断言できる。


・男女交際とは言っても、男と女では愛情の質が違うと考えられていたようだ。男の愛は能動で女の愛は受動という、あの発想である。しかも、男にとっては恋愛は「一生の本領」ではないのに、女にとっては「生命」であり、「天賦」なのだ。だから女は男に愛されれば何度でも男を愛するが、男は一度だけしか女を愛することはできないと言うのだ。無茶苦茶な言いようだかが、これが当時の「常識」なのである


・百年前の大学生は、二百数十人に一人の割でしか大学生にはなれなかったのだ。大学生はそれほどまでに、超エリートだった。これは一つの階級だったと言っていい。


・この時代、女性とセックスをすることは「消耗」することだと考えられていた。


女は到底一箇のミステリーなり。其何れの方面より見るも女は矛盾の動物なり。されば古来未だ裳て女に就て確固たる鉄案を下し不易の判決を与へたるものなし、嗚呼人類は到底不可思議なり、女は最も解し難きものなり


・高島平三郎『女の心』は「男にとって女は謎である」という一文で始まる。やはり「謎」である。


愛情が女性の本質だと言うのである。しかし、女性に恋の主体になられたのでは、男は「女の謎」に振り回されるばかりである。


・この時代、女性にとって結婚が人生の最大目標だったことがよくわかる。「負け犬」はまったく許されない分に気だったと思う。


やっぱり男にとって女性は永遠の謎なんだねー。オススメです。(・∀・)



百年前の私たち――雑書から見る男と女 (講談社現代新書)