「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「屋根屋」(村田喜代子)

いや〜不思議な本に出会いました。大人のファンタジーかなあ!(・∀・)!


「雨漏りのする屋根の修繕にやってきた工務店の男は永瀬といった。木訥な大男で、仕事ぶりは堅実。彼は妻の死から神経を病み、その治療として夢日記を付けている。永瀬屋根屋によれば、トレーニングによって、誰でも自在に夢を見ることができるという。以来、二人は夢の中で、法隆寺やフランスの大聖堂へと出かけるのだった。」そのエッセンスを紹介しよう。


・「毎朝起きるとすぐ、前の晩に見た夢ば思い出すとです。忘れんようにすぐノートに書き留めます。朝起きて何も夢ば見なかったようでも、頭の中ば探ってみると出てくるとです。夢は四つ五つは必ず見ていると医者は言うとです。思い出す癖ばつけると、だんだん頭の中に沈んでいたのが、浮かび上がってくるとです。クリニックに行くと、カウンセリングのときその日記を医者に見せるとです。夢は重要な排泄物で、毎朝、そうやって外の風に当て、陽の目ば見せてやると、頭の中が軽うなっていきました。おかげで、私はずうっと夢日記ば付け続けております。だからもう十年日記です。」


・「奥さんが上手に夢を見ることが出来るごとなったら、私がそのうち素晴らしか所へ案内ばしましょう。奥さんがびっくりして溜息ばつくような、すごか屋根のある所です。」


・「何度も言いますが、これは奥さんの夢です。しかし、同時に私の夢でもあるとですよ。誘導する者の念が強かったら、一緒にどこへでん連れて行くことが出来るとです。ただそのためには少々難しか手順がいりますがね」


・「毎晩、連続の夢を見るには何か技術が入ります。連続夢というのは、気持ちの水平飛行です。感情にムラのある女性がとくに難しい。毎日、気持ちが変わらず、穏やかにどこまでも水平飛行で飛び続け、昨日の夢の続きに今日降りて行き、また静かに夢を破らぬように抜け出ていく。一日限りの夢とは違うとですけん」


「私と一緒に、ここに残りませんか。もしよかったら二人で残って、ここで暮らさんですか。」


はてさて、夢かマコトか!?こんな夢を見てみたい!オススメです。(・∀・)