「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ウイスキー粋人列伝」(矢島裕紀彦)


今年50歳を迎える私。お酒は大好きでなんでも飲むのだが、40歳を超えてから初めてウイスキーの美味しさがわかってきた。ウイスキーは大人のお酒だ。(・∀・)

さて、この国でウイスキーづくりが始まって90年。その間、日本人は、それぞれの飲み方で、この酒を愛してきた古今90人の逸話で紐解くウイスキー愛飲史。そのエッセンスを紹介しよう。


幕末の黒船来航によってウイスキーの微醺をかいだ日本人が、当初、安い酒精アルコールにカラメルや香料で着色・味付けしただけの模造ウイスキーをつくり、よくわかならいまま飲んだりしていたのも、無理からぬところだったろう。真の意味で「日本のウイスキー元年」と呼ぶべき、国産の本格ウイスキーづくりへの着手は、大正12年(1923)まだ待たねばならなかった。



井伏鱒二


「飲んだときには酔った方がいい。飲んで酔わないと体に悪い」

「よく飲みながら原稿を書くという人がいるが、あれはよくないね。酒の勢いで書くのはうよくない。僕は飲みはじめたら飲むことに専念するんだ。将棋も指さない」


井上靖


靖はグラスを唇にあてたかと思うと、実に気持よさそうに琥珀の水を飲み干してしまった。その速度にも感嘆したが、優雅ともいえる手つきには驚嘆した。現代風な野武士と書いたが、遠慮なしにいうと、風貌はゴリラだ。ところがグラスを干す段になると、能役者のように振舞う。私は井上靖とめぐり逢い、その初会の瞬間に靖の飲みっぷりに魅せられてしまったのだ。酒にも優雅な接し方がある。(文芸評論家・武田勝彦)


水原茂


日本に初めてオンザロックを持ち込んだのが、水原茂。水原はこれをアメリカで知り、銀座のバーで注文したというのである。


リリー・フランキー


酒場に行くと延々とお酒だけ。だいたいウイスキーを飲みます。何もつままない。チョコレートの類とかも口にしません。飲み始めるのは、だいたい夜中の12時とか1時。飲みはじめると、それで一日、終わっていくじゃないですか。だから、なるべく遅くから飲みたいんですよ。だいたい一晩に二、三軒行く。量的にはボトル半分くらい飲んでるんですかね。ウイスキーって、他の酒と違って、頭が冴えているまま酔える気がする


黒澤明


ウイスキー好きは有名だが、昔はホワイトホース、一時期はカティーサークのさっぱり感が気に入り、晩年はロイヤル・ハウスホールドが大のお気に入りとなった。若い頃は一人でボトル一本半飲んだ。少しずつ減ってはきたが、80を過ぎても飲む時は半分以上飲んだ。病床にあってもウイスキーを手放すことはなかった


池波正太郎


ウイスキーは単なる酒の一種ではない。ウイスキーは男であることの証である。だれもがそれぞれ自分の一番好きな飲み方で飲む。これがウイスキーとう酒の正しい正しい飲み方である。逆にいえば、おれはこうやってウイスキーを飲むという自分流を持っていないような男は、男の風上にも置けない」


ウイスキーは主張である。ウイスキーは個の表現である。本質に孤独がある。人間はもともと一人で生まれ、一人で死んでいく生きものだ。他のどんな動物とも変わらない。そのことを人はしばしば忘れる。ウイスキーがそのことを思い出させる。そういう酒であればこそ、何のパーソナリティーも感じられないような飲み方では、ウイスキーを飲んだことにならない、ということである」


…ということで、これからウイスキーを飲みます。オススメです。(・∀・)