ワタシは酒が好きである。正確にいうと「ビール」が好きである。毎日「飲ーむ注意報」発令中である。「飲ーめる平和賞」に「飲みねーと」されているのである。(笑)当然、酒をやめるつもりはないのだが、こんな本に出会ってしまった!!!(・_・;)
「名うての大酒飲み」として知られた町田さんが、なぜ禁酒を決断をしたのかを振り返りながら、禁酒を実行するために取り組んだ認識の改造、禁酒によって生じた精神ならびに身体の変化、そして仕事への取り込み方の変わるようなど、経験したものにしかわからない苦悩と葛藤、その心境を微細に綴る。全編におかしみが溢れながらもしみじみと奥深い一冊」そのエッセンスを紹介しよう。
・とにかく昼間は飲まない、そして、仕事が終わるまでは飲まないという方針を打ち立てた私は、仕事はなるべく午前中に済ませる。午後四時以降は仕事をしない。などの運用上の工夫をしながら三十年間、一日も休まず酒を飲み続け、生きていればいろんなことがあるが自分の人生に概ね、満足し、このまま飲み続けて、まあ、あと二十年くらいしたら死ぬのだろう、と漠然と思ってた。ところが。ある日、大変化が起きた。
・どういうことというと、ある日、具体的に申せば平成27年12月末日、私は長い年月、これを愛し、飲み続けた酒をよそう、飲むのをやめようと思ってしまったのである。その突飛な考えが頭に浮かんだ瞬間、私は私の理性を疑った。私は自分で自分に言った。「おまえ、自分がなにを言っているかわかっているのか」と。
・酒をやめた、というのは完全に酒をやめた状態を言う。これに対して、酒をやめようと思っている、という状態がある。整理すると、酒を飲んでいる→酒をやめようと思う→酒を飲むのをやめることを始める→酒を完全にやめた状態、という順番を経て人間は酒をやめるのだと思うのだが、果たして自分はいまどの状態にいるのか、そしてまた、どうなったら完全に酒をやめた、と言えるのか、ということである。
・簡単に言えば禁煙のジョークで、禁煙ほどたやすいものはない。私はしょっちゅう禁煙している。というのがあるがあれと同じことで、一昨年の十二月に気が狂って酒をやめようと思い立ったその瞬間、酒をやめた状態になった。そしてそれからの約一年さんヶ月間、一滴も酒を飲んでいない。これは酒をやめたと言えるのだろうか。たとえて言うなら、自ら悟りを開きたいと思って仏門に入り修行に励んでいるのではなく、一次の気の迷いで出家をして、そのまま一年くらい経ってしまった、という状態に近いだろう。
・はっきり言おうか。私はいまだって酒を飲みたい。飲みたくてたまらない。けれども飲まないで我慢している。なぜなら気が狂っているから。禁酒・断酒というのは常に自分の中の正気と狂気のせめぎあいであって、飲みたい、という正気と飲まないという狂気の血みどろの闘いこそが禁酒・断酒なのである。これを文学の業界では内面の葛藤と呼ぶ。
ワタシもいつかはこのような心境になるだろうか!?まあ、ビールを飲みながら考えよう!(笑)オススメです!(・∀・)