「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「逆説の日本史13 近世展開編 江戸文化と鎖国の謎」(井沢元彦)

今年、全巻読破を狙っている井沢元彦氏の「逆説の日本史」シリーズ!いよいよ江戸時代に入りました。(・∀・)まるで大河ドラマのように大きな歴史の流れの中で、いままでの常識をくつがえす仮説が満載!そのエッセンスを紹介しよう。


・これも、よく誤解されているが、幕府は「鎖国令」という名の法令を一度も出したことはないし、「鎖国」という言葉も使ったこともない。「鎖国」とは外交下手の日本人がなしくずし的に進めた政策なのである。つまり、家康の頃は「キリスト教禁教体制」でありながら、「自由貿易推進政策」がとられていたにもかかわらず、三代将軍家光の時代に日本人の海外渡航(および帰国)が完全に禁止され、結果的に長崎に限定した制限貿易になった体制ーこの非常にわかりにくい姿を総括した言葉が「鎖国であって、それは外国人の「命名」によるということだ。


【中国人が理想とする「孝」よりも「和」を大切にする日本は「儒教国」ではない】


中国人の理想とする「孝」と、日本人が考える「親孝行」とはまったく別のものだと考えた方がいいかもしれない。これはよく言われることだが、なまじ同じ文字を使ってるから始末が悪いのである。


まず理解していただきたいことは、儒教では「孝」が第一ということである。優先順位があるのだ。子供への「愛」あるいは「慈」よりも「孝」がはるかに上なのである。「子供はまた作れるが親はかけがえがない」から、殺す順位としては「子」が一番ということになる。そして、これを「子」の側から見ても一番大切なのは「孝」だから、親の苦難を救うために「殺される」ことは正しいことになるのである。だから日本は決して「儒教国」ではない。では日本人にとっての優先順位の第一の徳目は何か、といえば「和」なのである。


【「家綱」から「綱吉」への代替わりは、明治維新に匹敵する歴史転換だ】


綱吉といえば、別名「犬公方」と呼ばれているように、江戸時代歴代将軍の中で最低の暗君だと言われている。「人間よりも犬を大切にした最低の将軍」ーそれが綱吉の評価である。それは徳川時代にも変わらない評価だ。「五代綱吉はバカ将軍」この常識は本当に正しいのだろうか?


徳川綱吉は名君である。それも単に名君というだけではなく、日本史上の政治家の内五指に入るのは無理でも、間違いなく十指に入る。政治家としては聖徳太子より上ではないか、と私は考えている。


「世の中はすべて武力で解決すればいい。武力でやるのだから人が死ぬのは当然だ。」が江戸初期には明らかにあった。ところが江戸中期以降は、「すべてものごとはおだやかに法と道徳にのっとって解決すべきだ。そして人命は尊重されるべきである」へと、「大変換」が起こった。


歴史をもう一度学び直さないとね。オススメです。(・∀・)