「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ない世界」(江口宏志)

ある本にこう書いてあった。私たちの身の回りにあるものは10年前には80%がなかったものだ、と。(・∀・)


確かにそうかも。大画面テレビも、パソコンも、ケータイも、カレンダーも、ギターも、バッグも…!?
当たり前のように「モノがある世界」に囲まれているのだ。では、もし「ない世界」があったとしたら!?


著者の江口宏志氏が、毎月ひとつずつ、あるモノが「ない」ことでどのような生活が生まれてくるのか、を自分のカラダでたしかめてみたレポートなのだ。


ケータイをなくしてみたら、電話としてはほとんど使っていなかったことに気づく。
お酒を飲まなくしてみたら、昔からの友人に「あんまり笑わなくなったね」と言われる。
怒る感情をなくしてみたら、自分は怒っていないのに相手を怒らせてしまった。
名字をなくしてみたら、相手との距離は縮まるどころか遠ざかって昔の夫婦みたいだ。
写真を撮らなくしてみたら、コミュニケーションこそが写真の評価そのものだと思い至る。


12か月、12の「自分なくし」の物語。そのエッセンスを紹介しよう。



【ケータイのない世界】


・インプットもアウトプットもケータイでやっていると、まるで自分の一部がケータイに乗っ取られたような気がしてくる。その分の自分はなくなってしまったんだろうか。確かに誰の電話番号も覚えていないし、今日の予定もカレンダーを見てはじめて思い出すありさまだ。いっそ一度ケータイを使わない生活をしてみようと思った。連絡はメールか、事務所に電話してもらう、日中は電源を切っていて、毎晩留守電とSMSだけはチェックすることに決めた、〜中略〜


・1年間、12ヶ月続けてきた「ない世界」も今回が最終回。ケータイも髪の毛もなくして、着る服を替え、お酒もやめても残ってしまう自分と向かい合う1年間だった。何かをなくすことで何を得たのかと聞かれるとあまり自身はないけれど、考えることと実行することはまるで違うってわかっただけでもやってよかったと思う。「ない世界」とはつまり「ないものについて深く深く考える世界」でその結果は読んでもらったとおりだ。


ニャルほど!なくすことでモノのありがたさがわかるよね。新しい気づきの本です。オススメです。