「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「逆説の日本史16 江戸名君編 水戸黄門と朱子学の謎」(井沢元彦)

さあ、今年全巻読破を狙っていたこの「逆説の日本史」シリーズ。ようやく16巻だけど、来年以降に持ち越しだあ…。(゜o゜)さて、いよいよ水戸黄門が登場だよ〜!


「御三家水戸家に家康が与えた“密命"とは? 保科正之上杉鷹山は名君だったのか!?数奇な歴史を解読する壮大なるノンフィクション第十六弾!」そのエッセンスを紹介しよう。


水戸光圀は、今でいう不良少年であった。もっとも、この時代は「綱吉の改革」の前であり、将軍家光ですら辻斬りをやっていた形跡があるのだから、光圀が突出して「ワル」だったわけではない。だが少なくとも学問好きなどちらかといえば暴れ者だった。ところが、それが18歳の時にころりと変わる。きっかけは『史記』の伯夷(はくい)・叔斉(しゅくせい)伝を読んだことであった。


光国は「名君」として評判が高いのは「水戸学」の創始者として考えられたことである「水戸学」は、「絶対の忠実の対象を天皇として日本人の考え方になじむように改変された朱子学である。その基礎を作ったのが光圀である。また光圀が、その生涯をかけた大事業の一つに、大日本史の編纂がある。


・私は朱子学の欠点を一言で言えば、「インテリのヒステリー」だと思う。「世界一」であり「正義」であるはずの「中国」が「野蛮人」であるはずの金(国名)や元に勝てない。いやそれどころか滅亡させられてしまった。この「有り得ない事態」に対して、だからこそ野蛮人=外国人は徹底的に排除しなければならない、という極めて排他的・独善的な主張が、朱子やその弟子たちによって「朱子学」の中に織り込まれていく。こうなると、一種の宗教になってしまい、その過激で独善的な主張はそうであるがゆえに熱狂的な信者を生み出すことになる。日本で、これに真っ先にカブレたのが後醍醐天皇であった。


閑谷学校は、岡山藩池田光政が設立した日本最古の、いやおそらく世界最古の庶民のための学校である。この「庶民のための」というところが凄い。そもそも教育というのは、世界中どこの国でもエリートのためのものだった。だからエリートのためのものだった。だからエリートのための学校ならもっと古いものはいくつもある。


日本文化は、明らかに他の文化とは違う独特の文化である。その高度で精密な日本文化を可能ならしめて重大な条件について分析したい。それは識字率の問題だ。つまり国民がどれだけ「自国語を読み書きできるか」という問題である。日本人の識字率は99パーセント以上、つまりほぼ100パーセントで世界第一位である。日本より1000年以上も早く文明社会になった中国ですら、識字率は90.9パーセントにすぎない。(世界の平均は75パーセント)その教育の土台になったのは平家物語」である。


平家物語」は、琵琶法師という「生きたラジオ」が語る「ラジオドラマ」である。こう考えると一番分かりやすいかもしれない。


江戸時代のキーワードはやはり「大衆化」であり、その最も優れた例のひとつが錦絵の発達であることは、誰もが否定できない事実なのである。俳句、講談、落語、謡曲、歌舞伎、それに浮世絵といった、まさに大衆娯楽が江戸文化の中核をなしている。大衆文化の発達が市民の政治参加への道を開いたのである。もちろん、同じアジアの中でも、こんな国は他にはない。このことが実は日本史の大きな特徴の一つなのである。


林羅山が唱えた天皇中国人説」とは?、日本的儒教の原点ともいうべき太平記(評判)秘伝理尽鈔」とは?


ホントに、歴史の教科書にして欲しいなあ。オススメです。(゜o゜)