「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「世界を変えた火薬の歴史」(クライヴ・ポンティング)

 

また良書にめぐり逢いました。世界の三大発明のひとつ、「火薬」。私たちは、その凄さに気づいない。いや、忘れている。火薬の誕生は、世界中に途方もない影響を与えたのだ!人間の歴史と火薬や爆発物との密接な関係を描く。そのエッセンスを紹介しよう。


火薬の歴史は1500年ほど前、不老不死の霊薬を探し求める中国の錬丹術師のあいだではじまった。燃えて爆発する奇妙な混合物は、偶然、発見されたのであった。火薬はすぐさま軍部に徴用され、1200年ごろには、中国人はこの爆発物を使うありとあらゆる種類の兵器ー焼夷弾火炎放射器、爆弾、ロケット、大砲、手銃を開発していた、火薬はほぼ500年のあいだ中国の門外不出の秘密だったが、最初はイスラム世界、つづいてヨーロッパへと西方に広まっていった。この新たな物質が戦争に及ぼした影響は甚大で、それはまた社会も変容させた。ヨーロッパではこの新しい科学技術が吸収され、さらなる発展を遂げると、それまで遅れていた地域が世界のほかの地域を支配するようになった。火薬の物語は、19世紀末から20世紀初頭にかけてダイナマイトTNT(トリニトロトルエンのようなはるかに破壊的な高性能爆薬が登場することで終わりを告げた。では、不老不死を求めて調合された物質がどのようにして、前例のない規模で世界中に死と破壊をもたらすことになったのだろうか。


・霊薬の多くは、ヒ素、水銀、鉛などから抽出された危険な金属化合物の混合物だった。道家は、不老不死になるためには忍耐が不可欠で、霊薬の副作用はどれも、混合物が身体から毒素を排出しはじめた兆候にすぎないと説明した。当然ながら、霊薬による中国患者は多く見られた。火薬はもともと「薬」として利用され、その起源はすなわち「火の薬」という呼称に残されている


・考えうる限りあらゆる奇妙で驚くべき混合物を試しているうち、まったくの偶然に、人類史上初の爆発物ー火薬を発見した。この黒い粉は、三つの物質ー木炭、硫黄、硝石の混合物である。不老不死の霊薬が探求されなければ、おそらくこれらの物質が混合されることはけっしてなかっただろう。


その他、「火薬の誕生」「発火装置と爆弾」「ロケットと砲」「火薬とイスラム帝国」「火薬はいかにして近代ヨーロッパをつくったか」「東洋の新たな火薬兵器」「火薬の平和的利用」「黒色火薬時代の終焉」


…いや〜すごいっ!歴史の教科書か副読本にはぴったりだね!超オススメです。(・∀・)