「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「スープで,いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る」(遠山正道

いつも、通勤途中の京急品川駅のホームで、気になっている、Soup Stock Tokyo。数年前に一回だけ食べたことがある…でも何を食べて…どんな味だったか…覚えていない…。(^_^;)

三菱商事の社員でアーチストでもある遠山社長は、初の社内ベンチャー。決して最初から順風満帆だったわけではない。なまなましい汗と涙の物語。そのエッセンスを紹介しよう。


・スープストックは34店舗を数え、何とかやっと一つの形になってきました。「ファストフードの業界で洋の業態でゼロから生まれて成功したのは、スープストックぐらいだ。30年に一つのブランドだ」とも言われます。私は、始めた当時はサラリーマンで、食の素人で、何もない状態でスタート出来たのは、理屈を超えたただならぬ何か、熱病のような何かがあったからだと思います。


仕事は一人では何もできません。本当に色々な方の理解、協力、意思決定。お客様のご理解、ご声援。そしてスマイルズという会社の、ユニークで力強い仲間の、並々ならぬ力。それらがあったから、何とかここまで来ることが出来ました。そして私も、私なりに、自分が創ったんだ、という自負もあります、まだまだ途上ですが、スープストックが生まれたときに何が起こったのか、熱病とは何だったのか。「具沢山のスープ」は、本当に「苦沢山のスープ」でしたが、それがどうやって生まれ育ってきたのか。ここで一度、振り返ってみたいと思います。


私は成功することを決めました。妙な言い方ですが、私の中に生じたそのままの言葉です。


スープは無添加でいこうと、はなから決めていました。というのも、私のひとり娘がアトピーで大変だったからです。制限されていたのは、大豆、牛乳、米、卵などであり、大豆がダメだと醤油もダメ、油もオリーブオイル以外はダメ。ということは、何を使っているか判別できない外食や惣菜は、ほとんどのものが口にできませんでした。お蕎麦屋さんに寄ったときは、ざるそばに塩を振って食べていました。無添加 食べる スープ』。短い言葉ですが、私たちの思いやスタンスが凝縮し、物事に真摯に向き合う責任と覚悟をコミットする言葉となりました。


・スープストックには、カップルや友達連れのお客様もたくさんいらっしゃいますが、いちばん多いのは、やはり女性一人のお客様です。どんな方々にきていただいても嬉しいのですが、スープストックには、当初から、街でほとんど見つからない「女性一人でも安心して入れるお店」になろうという目的がありましたから、その使命が果たせているのは嬉しい限りです。


・多くの代償を払い、闘いぬいた「炎の70日」5つの貴重な学習をしました。


1 (過去の)経営の不作為の帳尻は必ずどこかで合わせなければならないこと

2 みたくない現実ほど早くみて早く対処を決める必要があること

3 人材は、「やりたくて・やれる人」でなければ仲間も本人も苦労すること

4 言いづらいこと、大変なことを要求しあえることが、仲間の資格であること

5 スマイルズはどんな苦難の時でも、個人としてのユニークさとチームとしての強さを持ち続けられるということ


・2004年秋、スマイルズ「生活価値の拡充」という企業理念を制定しました。そして「低投資・好感度」「誠実」「安全性」「主体性」「賞賛」スマイルズの五感です。


その他、企画書「スープのある一日」、「Soup Stock Tokyoの誕生」「動き始めたビジネス」「つきつけられた現実ー炎の70日」…など。


いや〜スゴイ!遠山社長の人柄と人間性、生き方が伝わってくるなあ…、温度があるというか。今年のベスト10は間違いなし。超オススメです。(^_^)