「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「明治女が教えてくれたプライドのある生き方」(石川真理子)

  

今年の大河ドラマ「八重の桜」で話題を呼んでいる、新島八重。あの激動の時代を生きた
明治の女性って強いよねえ。(・∀・)


さて、この本は、新島八重、「鹿鳴館の花」といわれた初代帰国子女の大山捨松、浅草生まれの明治女で名脇役女優沢村貞子とその母、父や母との葛藤を抱えた幸田文など、明治女の生き方を紹介。


明治女には、不思議な魅力とカッコよさがある。知れば知るほど、私はそんなふうに思うようになりました。明治女はいかにして自分を磨き上げていったのか。不屈の精神と、伸びやかでじゆうな生き方を可能にしたのは何だったのか。そうしたことを探るために、10人の明治女の人生に迫ってみることにしました。


明治30年代の日本を撮影したイギリス人写真家、ポンティング「英国人写真家の見た明治日本」より「日本の家へ一歩踏み入れれば、そこに婦人たちの優雅な支配力が感じられる。家庭では彼女は独裁者だが、大変利口な独裁者である。彼女は自分が実際に支配しているように見えないところまで支配しているが、それを極めて巧妙に行っているので、夫は手綱を握っていると思っている」


ベルク「オレインブルグ日本遠征記」より「ここでは女性が東洋の他の国で観察される地位よりもずっと尊敬と思いやりで遇せられているのがわかる。日本の女性は大きな自由を許されていて、そのためより多くの尊敬と自信を持っている」


エルベ号艦長幕末期「日本女性すべてこぎれいでさっぱりしており、平均的にかわいらしいので、われわれは日本国土全体に惚れ込んでしまいそうである」



この本で最も印象的だったのが、現パナソニックグループ創業者松下幸之助の妻松下むめのだ。そのエッセンスを紹介しよう。



【経営の神様以上だった松下幸之助の妻 松下むめの


幸之助と結婚当時二十歳の幸之助は、病弱で安月給、財産もないという状況。条件のいい縁談が他にもあったのに、その悪条件が決め手となったわけです。むめのは一度きりの人生を、自分自身で切り開き、自分の手でつくり上げていきたいと考えていました。何の心配もせず、ただ、奥様の座についていれがいいというような結婚は願い下げというわけです。幸之助との結婚は、資金ゼロどころかマイナスからのスタートでした。幸之助は結婚式のために借金をするほかなかったからです。湯のみ茶碗はひとつ。夫婦で一緒にお茶を飲む暇もないこともあり、幸之助が飲んだ後で、むめのが飲むようにしたそうです。


「ものがあない、お金がないというのは『苦労』ではなく『難儀』ということ。難儀するのはまだ自分の働きが足りないから。働けばなんとかやっていけるという自信をもっていたから、不安をあまり感じなかった」とむめのは話しています。なんといってもむめのは、幸之助を「天才だ」と信じて疑いませんでした


「できませんでは、いけません。私はよういたしません、と言って教えを請うようにしないと」


もう亡くなった明治生まれの二人の祖母のことを思い出しました。おすすめの本です。(・∀・)