いつも思うけど、マンガ家の東海林さだお氏は天才である。身近な食べ物のエッセイを書かせたら、実にくだらなく、おもしろく、独特の感性で書き上げる。さて、今年はこの「丸かじり」シリーズの全巻読破を狙っています。この本もで最も響いた章をエッセンスでお届けしよう。
【ザ・イナリ】
稲荷ずしってやつは、なんかこう、妙に懐かしい感じがするやつですね。懐かしいといっても、ここんことずっと会ってなくて、久しぶりに会って懐かしいというのではなく、しょっちゅう会っているのに妙に懐かしい。
海苔巻きには一応の様式美がある。太巻きなどはその最たるものだが、悲しいことに稲荷ずしにはそれがない。ただうずくまっているばかりである。見ばえもよくない世間的な評価も低い。しかし実力はある。
その証拠に、稲荷ずしは、あらゆる軽食界にそのマーケットを持っている。コンビニ、スーパー、持ち帰りずし、和菓子屋、甘味処、立ち食いそば、競馬競輪場。野球場。ハンバーガーやフライドチキンなどがもてはやされている風潮のなかで茶色くじめじめした稲荷ずしは、以外にも各地で健闘しているのだ。稲荷ずしはスキマを突いて成功した。主役になろうとせず、補助的役割に徹した。
ほほー!!!確かに!(・∀・) まるで私のようだなあ。いつも一流になれない1.5流。A級になれないB級。スキマをついて成功したいなあ。オススメです。(・∀・)