爆笑のスポーツエッセイがオモシロイ作家の奥田英朗氏。(・∀・)そして先日、通算2000本安打を達成した中日ドラゴンズの谷繁元信選手について書いたコラムがなるほどナットク!そのエッセンスを紹介しよう。
【どれほど野球選手をリスペクトしているか】
日頃わたしは懸命にプレーする選手をからかい、些細なミスにつけ込んでは品のない野次を飛ばしてストレスを発散する、いたってノーマルなプロ野球ファンであるが、それはもちろん、選手がわたしとはかけ離れた世界の住人であり、絶対に手が届かない存在であることを知っているからこそできる所業であることは言うまでもない。
「こら谷繁。なんじゃその打率は。そろそろ引退かあ?」「バントで送っても次は谷繁だぞー」
本人が隣にいては絶対口にできないせりふである。
同じ中学の二年先輩にとびきりの天才がいた。何しろ近鉄バファローズにドラフトで一位指名され、実際にプロ野球選手になったのだから本物だ。この先輩、中学時代からスポーツ万能で、陸上大会があるとハイジャンプの選手として駆り出され、優勝をさらってしまうような人であった。ポジションはピッチャー。当然、地元は大盛り上がりだった。同級生だった姉は「今度サインもらわな」と興奮し、みながその先輩に期待を寄せた。
結果を言ってしまうと、故障があったのか、力及ばなかったのか、その先輩が一軍で活躍することはなく数年で選手名鑑から姿を消してしまう。そうか、地元のスーパースターでも無理だったか。実際、プロ野球選手のピラミッドはとてつもなく高い。わたしのような素人にも「こいつは凄い」という選手でも一軍でレギュラーになれるのは、その中のさらに一握りなのである。才能、運、よき指導者やライバルとの出会い、そういったものすべてに恵まれ、やっと一人のレギュラーが誕生する。
谷繁。凄いんだなあキミは。いつもスタンドから野次ってますが。
かつて一度だけプロ野球選手と対談をしたことがある。ユニフォーム姿だと標準的体格のその選手は、背広を着ると周囲を圧する大男で、会うなり一瞬にして呑まれてしまった。彼の目には世界はどう映るのだろう。肉体で周囲を畏怖させるとはどういう感じなのだろう。それより何より、女にもてるんだろうなあ
確かに、プロ野球選手で活躍するのは東大に入るよりムズカシイかも!?もっとリスペクトされてもいいかもね。オススメです。(・∀・)
こちらの「ボブスレーの前から2番目の選手は何をする人なのか?」もケッサク!こっちも読んでね。(・∀・)