一日一冊一感動!小野塚テルの『感動の仕入れ!』日記

タイトルは、『一日一冊一感動!小野塚テルの感動の仕入れ!』日記。 毎日の読書、映画、グルメ、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。(ときどき「酒場のギター弾き」「B級グルメ」も紹介します)

BOOK〜『つながりの作法 同じでもなく違うでもなく』(綾屋紗月 他

つながりの作法 同じでもなく 違うでもなく (生活人新書)

つながりの作法 同じでもなく 違うでもなく (生活人新書)

この本は深い。実に深い…。今年読んだ本のベスト10入りは間違いないだろう。

「つながらないさみしさ」「つながりすぎる苦しみ」アスペルガー症候群脳性マヒというそれぞれの障害によって外界との「つながり」に困難を抱えて生きてきた二人の障害当事者が、人と人とが「互いの違いを認めた上でなお、つながりうるか」という、現代社会の最も根源的課題に挑む画期的な書なのだ。そのエッセンスを紹介しよう。



【つながらない身体のさみしさ 綾屋紗月】


・私(綾屋紗月)はアスペルガー症候群自閉症スペクトラム)」という診断を得ている。定義は自閉症の?相互的社会関係能力の限界 ?コミュニケーション能力の限界 ?想像力の限界 という三つ組の特徴が見られることとされている。私の感覚といえば、「どうも多くの人に比べて、世界にあふれるたくさんの刺激や情報を潜在化させられず、細かく、大量に、等しく、拾ってしまう傾向があるようだ」という表現になる。電車の中ならば、人々の服装、におい、しぐさ、話し声、車内広告の内容、温度、湿度、電車の揺れ、走る音、ブレーキ音、加減速の圧力、社内の明るさ、車窓の風景、駅名、揺れる自らの身体感覚、立ち続けるための身体のバランスなど、バラバラで大量の情報を無視できずに感じ取ってしまいがちだ


・それらの情報や感覚で手いっぱいになっているなかで、さらに「本を読む」という行動を起こすのは至難の業である。なんとかあふれる刺激を潜在化させ、「本を読む」という一つの行動にたどりついたとしても、新たに乗り込んできた乗客のストッキングの新奇なレース模様が目に飛び込んできたりすれば、せっかくまとめあげた「本を読む」という行動パターンがほどけ、ふたたびあふれる情報の海の中に投げ出される。私はそんな身体の持ち主である。


・このように私は、身体の各部分で足並みを揃えずに生じ続けている変化の多くをバラバラのまま感じ取ってしまう。私からすれば、それぞれが思い思いに物申す「うるさい身体」だとも言える。


・人の集団に対してだと、どうなるか。たとえば中学校の休み時間の教室でのにぎやかなおしゃべり。コミュニケーションを「言葉のキャッチボール」「言葉のドッジボール」と言ったりするそうだが、私にとっての教室は、ドッジボールを上回る「言葉の無法地帯」だった。バレーボール、バスケットボール、卓球、テニス、サッカー、ソフトボール。教室内でのおしゃべりというのはまるで、見た目も動きも様々ないくつものボールが、それぞれのルールで狭い教室を無軌道に猛スピードで飛び交うかのようだ。


・私はしょっちゅう、「誰ともつながっていない!」という感覚に襲われる。ひとりでいるか誰かと一緒なのか関係ないので、「いまここに家族と一緒にいるじゃない」「一緒に仕事をしている人たちのことはどうしたの?」と言われてもピンとこない。つながりを、とにかく、いま、感じないのだから。世界につながっていない感覚が高じて、「はたして自分の感じていることは本当にあるのだろうか」と自分の感覚に確信が持てなくなり、「そもそも自分は確かに存在しているのか」「自分は何者なのか」という実存感覚まで危うくなっていく。とても、孤独だった。


【つながりすぎる身体の苦しみ 熊谷晋一郎】


・脳性まひのなかでも、私の抱える「痙直型脳性まひ」と呼ばれるタイプの特徴として、「緊張しやすい」というものがある。たとえば寒い時には健常者でも多かれ少なかれ体がこわばるが、その時には、ちょっとだけ脳性まひの体の状態に近づいているのではないかと思う。私がキーボードを打つ時というのは、右手の人差し指だけでパソコンを打っているにもかかわらず、指や手首の筋肉に力が入るだけでなく、肩の筋肉や腰の筋肉も含めて、ほぼ全身の筋肉を使っている。一つの筋肉が緊張すると、ほかの多くの筋肉も一斉に緊張してしまうという特徴があるために、このようなことが起きるのだ。


「体の各筋肉が過剰につながってしまうために、外の世界としなやかにつながれない」という点にある。組織でいえば、内輪のメンバー同士が過剰に拘束し合っているために、外部の不測の事態に対応できなくなる状態に喩えられるだろう。


「フツー」っていったいなんだろう。人と人が違うということを受け止めるということ。人と人とつながるって深いんだね。人を見る目が変わるかも。人生観が変わるかも。超オススメです。(・∀・)