「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜初の自伝的実名小説…『かすてぃら』(さだまさし)

かすてぃら

かすてぃら

「グレープ」時代からだから、35年くらいずーっとファンのさだまさし親しみを込めて呼び捨てで呼ばせてもらう!(^<^)
おそらく彼の曲は200曲くらいはすぐにギターで弾き語りできるのではないだろうか!?イチバン好きなアルバムは「私歌集(アンソロジー)」、「夢供養」、「夢の轍」、「夢回帰線」あたりかなあ。…イチバンじゃないじゃん!?(≧∇≦)/



最近は作家としても活躍のさだの初の自伝的小説がこの本。「笑いと涙あふれる、昭和30年代、長崎。カステラの香りに包まれた記憶の中には、明るくて、ちょっと迷惑で、それでも皆から愛された破天荒な父と、振り回された家族の姿があった。温かな涙の果てに、涙あふれる独壇場世界を紡いできた著者の、真骨頂とも言える、初の自伝的実名小説。昨年2012年4月10日、、還暦の誕生日に上梓された一冊。そのエッセンスを紹介しよう。



・僕とのりちゃんは親友になった。中学二年の時、僕が下宿先の前田さんのお兄さんのギターを借りて初めてギターを弾いて聞かせたのも、のりちゃんだった。

「え?昨日初めてギターを弾いて??昨日、もう曲を作った???すげえ、良い曲じゃないか!まあ坊、お前、すげえよ!!!天才だよ」と大きな声で興奮して、僕の肩を叩いた。

「天才だよ」というのりちゃんの声が今でも耳にこびりついている。なにしろ僕が友達に音楽を聴かせてこんなに喜ばれたのは初めてだっかたらだ。この時にのりちゃんが、これ程僕の歌に感動しなかったら、と思う事がある。僕は歌作りの楽しみを知らずに過ごすことになったのではないか。


神様が決めたこと、という父の言葉がいつも蘇る。神様の選択理由は矛盾だらけに感じることが多いが、それもこれも、我々の自由にはならぬもの、なのである。そうして今、僕は神様が決めた父の生命の瀬戸際と向かい合っているというわけだ。


・父がこうして危篤になる一年半ほど前のことだった。コンサートを聴き終えた父が、楽屋に戻ってくるなり、興奮した顔で目を輝かせて、息もつかずに、「おい、とうとう、お前は自分の歌に追いついたなあ!いや、出来た。良くなったなあ」と一気に言ったので驚いたことがあった。この時の「父の褒め言葉」は、後になって時間が経てば経つほどに僕の胸の中で別の不安を拡げ始めたのだ。何故父はあの日に限ってそんなことを言ったのだろう。僕はあたかも父の遺言を聞かされたような奇妙な淋しさを感じたのだった


「それがあなたの人柄でした」 松場さんの一言が僕の脳の中を駆け巡った。突然涙が吹きこぼれてきた。ふと父の白木の位牌が目に入った。おとうちゃま、そげん小さか木になってしもうたらつまらん。


その他、「金、金、金」の真実、「転宅」の真実、「椎の実のママ」の真実など、さだファンであれば、なるほどっ!とナットクするエピソードが満載。また歌の味わい方が変わるねえ。やっぱり家族っていいなあ。超オススメです。( ^∀^)