- 作者: 飯田雪子
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2012/04/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本を読んで思ったのは、私がいままで体験したいくつかの恋(?)は大人の恋ではなく「仔猫の恋」だったのかも!?ということだ。若かったということなのかも。そのエッセンスを紹介しよう。
・「友達にね。言われたの。相手の幸せを第一に思えるのが本当の恋だって」あたしの想いは本物じゃないのかな。美羽の声はわずかにふるえている。「本物じゃないから、ヒロくんも気づいてくれなかったのかな」
・最初から−弘至にとって、美羽は猫だったのだろう。まとわりついてくる可愛い仔猫。大好きだという言葉も愛しいという感情も嘘ではなく、けれどそれだけ。恋愛対象になどなるはずもない。ましてや自分の家の飼い猫ではなくて友達の家の猫ならば、それこそ責任感も何もなく、ただ可愛がっていればよかったのだ。
・気づかなかったんだ。弘至はそう言う。気づかなかったはずがない。気づこうとしなかっただけだ。最初から−美羽の存在は、「別枠」だったから。対等でなければ恋など生まれない。どんなに近づいても、どんなに想っても、美羽は彼の心の中には棲めない。ただ−感情の表層をかすめてわずかに華を添えるだけで。
・「ばいばい、ヒロくん」彼はなついた猫を一匹失うだけだ。けれど美羽は。美羽の失うものは−。
・「もう、迷子になるなよ」「…うん」
くれぐれもピアスの片方を相手の家に置き忘れるのは注意しましょう!(^^ゞ