- 作者: 乾くるみ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/05/10
- メディア: 文庫
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BOOK〜驚愕のラスト2行!…『イニシエーション・ラブ』(乾くるみ)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20090703
さて、この本はその第二弾ともいうべきか、続編というべきか。
主人公里谷正明の前に現れた美女、内田春香。その静かな佇まいと美貌にどんどん惹かれている正明。そして夜の世界で働く、春香そっくりの女性、半井美奈子。?奔放で積極的な美奈子にも惹かれる正明。二人は同一人物なのか?双子の姉妹なのか?
最後の最後まで真相がわからない。そしてまた、また驚愕のラスト2行が…!?乾くるみ氏の筆力でグイグイ読ませる。そのエッセンスを紹介しよう。
・春香ーそう、君はそもそも、誰なんだい?本当に「内田春香」なのか?
美奈子ーそう呼びかけてみても、君は反応しないだろう。今は濃い化粧のせいで「美奈子」にそっくりな顔になっていることを、君はわかっているのか?
君は最大の嘘を、これからもずっと隠し続ける覚悟が本当にできているか?
・「恋人がいるって言うんでしょ。でも魔性の女は、それでもいいって言うんです。自分は二番目でいいって。遊びでいいから、二番目の愛をくださいって。最初はそう言っておいて。でもいつの間にか、男の人の心の中で、気がついたら一番に成り上がっているですだから気をつけたほうがいいですよー。」
・「恋愛って、やっぱり精神的な繋がりが大事だよね。こんなふうに思ったことってない?地上のこの世界とはまた別に、精神的な世界っていうのがあって、私たちはみんな、その世界にも住んでるの。で、最初はみんなその世界で、自分の居場所っていうのを探している。一緒に暮らす相手を探している。私も正明くんも、お互いに出会うまではそんな状態だった。でも、出会ってからは、お互いにこの相手しかいないって決めて、もう土地も買って家も建てて。そこで一緒に暮らし始めてる。そんなふうに想像したことない?」
・「右腕に彼女の頭の重さを感じる。右半身に彼女の体温を感じる。自由なほうの左手で彼女の身体をまさぐることもできる。まるで生まれたときから失われていた自分の半身に、ようやくめぐり合えたとでもいうような、そんな充足感と安心感があった。もう迷わない。はやり春香こそが、自分がずっと求めていたパートナーだったのだ。もう迷わない。もう……。」
そして、ラスト二行。まさか「見えていた」とは!?絶対オモシロイ!絶対読むべし!('∀`)