- 作者: 赤瀬川原平
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1999/09
- メディア: 単行本
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さて、この本はあの名著の第二弾。これがまたオモシロイのだ。そのエッセンスを紹介しよう。
・すべての水に流して、という考え方は日本ならではのものだと思う。アフリカの砂漠の国で、何か骨肉の争いがあった後に、「まあまあ、ここはひとつ、過去のことは水に流して…」といっても水がない。流しようがない。水があればまず飲みたいというもので、流すとすれば体内に流すわけで、過去を水に流したとしても体内に溜まってしまう。
シベリアとかアラスカの方でも水に流せないでしょうね。水はあるけど凍っている。水に流そうとしてもどんどんその場にへばりついてしまう。いったん火で暖めて溶かせばとりあえずは流れるけれど。その先ですぐにまた凍りつく。
それから中国の辺りも、水は大量に流れいてるけど茶色だ。土が混じっている。水に流すのは、みそぎというか、ゼロというか、無色透明からやり直そうというようなことなんだけど、そうはなりにくそうだ。
・今日で人生は終わり、明日死ぬとなったときいに、最後に何を食べたいか。これもいろいろあって答えを出すのが難しい。考えていくと、あれも食べたい、これも食べたい。真面目に考えてみて、ぼくはやはり最後となると白いご飯とおかずという形が欠かせない。まずふっくらと炊き上がった、出来れば新米の白いご飯。それと絶妙のバランスで漬かったおしんこ。出来ればヌカ漬けがいい。キューリかナスかカブ。あるいは白菜漬けでもいいい。あとはタラコの焼いたのでもいいし、マグロの味噌漬けの焼いたのでもいい。
そしてお茶。お茶はどうしても欲しい。むしろ最後に欲しいのはお茶だともいえる。歳をとると、食事もさることながら、食後のお茶がいちばんしあわせである。そうだ、そのあとに楊枝が欲しい。美味しい物を食べてもうこの世におさらばでいいんだけど、歯の隙間に挟まったままでは気分が悪いので、最後の最後はやはり爪楊枝ですね。何だか欲しいものばかり書いてしまった。
私もやっぱり人生最後の食事は新潟のコメだなあ。そして味噌汁と野沢菜と「しょうゆの実」だなあ。みなさんは何を食べる?
FAVORITE〜これさえあればごはん何杯でも!…『しょうゆの実』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20110513