「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜『いつだって大変な時代』(堀井憲一郎)

いつだって大変な時代 (講談社現代新書)

いつだって大変な時代 (講談社現代新書)

毎年毎年、「今年のインフルエンザは強力らしいよ」、「今年の花粉は大変だよ」、「いや〜、いまは大変な時代だね〜」と言っているような気がする…。(^。^)

たちはなぜ、いつも「大変!大変!」と言っているのか?もしかしたら、大変なのは、経済や社会や時代ではなく、そういうふうにしか考えられない私たちの頭のほうかもしれない――。

この本は、そんな私たちの奇妙な固定観念を考え直すかもしれないユニークな本。そのエッセンスを紹介しよう。




・いまは大変な時代なのか。そう聞かれたら、多くの人が「大変な時代」と答えるだろう。でも2010年も、2009年も、1985年はどうだったか?1968年は。1912年は。そう。同じである。いつも「いまは大変な時代」と思って人は生きていたのである。


われわれは、いまが大変な時代だ、と言うべきではないとおもっている。少なくともいまは言うときではない。「いまが大変な時代だと考えないこと」をわれわれは20世紀の百年をかけて、懸命に獲得してきたのではなかったか。それを思い出そう、そういう話である。いまは別に大変な時代ではない。そういう話をしたい。


・「いまは大変な時代だから」というのは、常に繰り返されて言われる。気温だって同じだ。「かつて日本人が経験したことのない暑い夏を経験している」というのがどことなく嬉しいのである。他社や専門家からそう言われると、私たちは「生きている」感じがするのである。私たちは、とにかく「自分が特別だ」とおもいたいのである。ほかはともかく自分だけは別だ。これが、いまの私たちのとても大事な支えである。

・80年代、当のバブル時代のまっただ中にはこの時代のことを誰も、バブル、とは呼んでいなかった。バブルの時代は、当事者にとっては、バブルではなかったのである。江戸時代、という言葉も同じだ。安政年間の江戸にタイムスリップした医者が「ここは、江戸時代なのか!」とそのへんの町人に聞いたところで。誰も意味がわからない。江戸時代の人は自分たちが生きてる時代のことを江戸時代とは呼びません。あたりまえだ。生きてるのは、いつだっていまだ。時代ではない。


かつては集団で営まれていたものを分解すれば、それは商品の買い手はどんどん多くなる。つまり商品は売れる。具体的に言えば、昭和の昔は、テレビも電話も、家庭に一つあれば事足りていた。茶の間にあるテレビをみんなで見て、ときにチャンネル争いで喧嘩になり、家族間のルールを決めたりしていた。実際、テレビも電話も個人ユースのものになり便利にはなった。でも、家族はきれいに解体された。政治が悪いわけでも、社会が悪いわけでもない。自分たちで選んで、きちんとここに立っているだけである。

なるほど!そうだよね…。(^。^)…今日も大変な一日になるよ〜!(^^ゞ