- 作者: 生島淳
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/11/29
- メディア: 新書
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MUSEUM〜『箱根駅伝ミュージアム』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20110912
さて、この本は、正月最大のイベント、箱根駅伝の感動の舞台裏を徹底分析した本。そのエッセンスを紹介しよう。
・どんな厳しい環境にあっても、人はスポーツを必要とするのだ。そしてなかでも箱根駅伝は、いままで以上にその価値を高めていくと思う。なぜなら十人の若者が思いを込めてタスキをつなぐこと、そして町をつないでいくこと。震災に見舞われた日本にとってタスキをつなぐことの意味はこれまで以上に大きい。しかも箱根駅伝の特徴として、東北出身者の占める割合が、他の競技に比べて高いことも興味深い。
・箱根駅伝がここまでビッグイベントになったのは、日本人に訴えかける情緒が満載の大会だからに他ならない。正月という日本人と切っても切れない重要な時期に行われ、しかも東海道を走るというロケーション、リゾート地である箱根に富士山の偉容が選手たちを待っている。三区を走る選手の左手に見える湘南海岸も美しい。これ以上は望めない舞台設定に大学生の情熱が加わる。いまや大学スポーツでは最大のイベントとなった。それは毎年25%を超える視聴率が物語っている。
・駅伝の醍醐味ともいえる区間配置、誰をどの区間に使うのか、監督の腕の見せどころだが、冬の大会とあって、病気やケガによるアクシデントもあり、試合直前までオーダーはなかなか決まらない。いや決められないのだ。
・タイプ別区間配置発想法
先行投資型、後半投資型、リスク分散投資型、経験重視型
・往路キャラ=スピードがある、人との競り合いに強い、集団で走ることで、自分の走りのリズムを作る、派手
復路キャラ=距離が延びてこそ、味わいのある選手、地道、自分のペースで走れる、上級生
その他、「山の神誕生―今井正人・順天堂大学の場合、柏原竜二・東洋大学の場合」、「監督はつらいよ」「コミュニケーション力」「箱根駅伝が大学経営を左右する」「ブランド校の思惑〜明治大学と青山学院大学」「今後の勢力地図を占う」「留学生問題」など、なるほど〜!と思わずうなってしまう。オモシロイよ〜!はやくも来年のお正月が楽しみだね。オススメです。(^^♪