- 作者: 曽野綾子
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2010/02/24
- メディア: 単行本
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さて、この本は、普段から疲れているあなたに贈る、疲れない人間関係のヒント
になるような珠玉の言葉が満載。そのエッセンスを紹介しょう。
・人間はどのようになっても満足せず、どのようにしても相手に完全な満足を与えることはできない、という原則である。だから我々がベストを尽くすと思うのは。自分から見てのことであって、他人には、せいぜいうまく行ってベターなことができるだけである。
・人脈を作るには二つの方法がある。第一は逆説的ではあるが。知己であることを仕事の上で決して利用しないこと。第二は、自分が自分独自の考えを持つことで絶えず知的な流れの中に立たせてもらうことだろう。
・友人の本当の出番は、相手が何らかの意味で、不幸に出会った時だと思う。健康で、順調に暮らしている時には、ほっておいてもいい。しかし相手が肉親を失ったり、。病気になった時こそ、友人は出て行くべきなのである。目的はたった一つ、ただその人と一緒にいるためである。
・この世で、私の身の上に初めて起こったというような恥はない。そんなふう考えるのは、むしろしょった行為である。私が苦しんでいるような恥は、もう、この地球上で、数万、数十万人人が苦しんだことなのだ。
・「それでよろしいのよ。お辛い時は、酔っ払うか、忘れるか、無責任になるか、じっと背をかがめて嵐の吹き過ぎるのを待つか、それしかありません」
・本当に必要なものは、そもそも最初から決まっているらしい。どんな大食いで食道楽でも無限に食べられるわけではない。二本の足は一度に一足の靴しかはけない。
・相手を信じないことと相手を信じることとは、同時に行わなければならない作業であった。相手が「心配いらない」と言ったら、それは心配すべきことがある証拠だし、「問題はない」と言ったらそれは問題がある証拠だ。
・相手に負担をかけない限り、素直であるべきだろう、という気がした。相手の声を聞きたいと思ったら電話を掛け、休みたい思ったら休み、。泣きたい思ったら泣き……それが人生に対する誠実。というものかもしれない。
・必要なことは、夫が妻にも、結婚生活にも、理想を求めないことである。というか、むしろしかたなっくそうなってしまったその家独特の生活の形態を、あるがまま受け入れる度量である。理想どころか、平均値も求めないことだ。平均とか、普通とかいう表現は慎ましいようでいて。、じつは時々人を脅迫する。
・世の中でお互いがぎくしゃくするのは、誠実で完全を望む人たちが揃っているからだと私は思っている。どうなったって、自分の知ったことか思っていれば、何が起ころうと腹もたたずに済むのである。
・片隅に生きていれば、少々の悪癖も問題にならないことが多い。女癖悪い人が、総理大臣になったら、その性癖は世界的な恥として知られてしまう。しかし片隅に生きていれば何でもないのだ。すぐに女に手を出す亭主は、女房とケンカをしていればそれで済むことなのだ。賭事の好きな人が、学校の先生だったり裁判官だったりすると。これはたちどころに批判の対象になる。しかし片隅生きていれば、どうということはない。親類から少し冷たい眼で見られたり、娘と息子から愛想づかしをされるくらいで済む。片隅に生きるということは本当にすばらしいことなのだ。
もっと気楽に、無責任に生きようよ。(^。^)