- 作者: 黒川伊保子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/02/28
- メディア: 文庫
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男心と女心の違いを理解したら、かなり人生は楽になる。恋の達人になれる。長年、腐れ縁だと思っていた妻や夫がいとおしく思えてくる。息子や娘の気持ちが読める。職場の若い人たちのモチベーションを上げられる。市場の気持ちも見えてくる。この世には男と女がいて、人生の心地よさの多くを、この関係が創り上げているのである。男女の違いを見つめる男女関係学。ぜひ、人類の必須科目にしてもらいたい。そのエッセンスを紹介しよう。
・あなたが女性なら、「まったく、男って、どうしてこんなに鈍感で、おばかさんなの!?」と地団駄を踏んだことがあると思う。あなたが男性なら、「女って、何で、こんなことに感情的になるんだろう?」と不思議に思うことがあったはずだ。男と女の脳は、構造が違っている。このため。ものの見方も感じ方もずいぶん違う。
・「愛している」と言ったとき、男の脳は、「とりあえず繰り返し君のところに帰る(来る)」という約束をしたに過ぎない。女の脳は、24時間どの瞬間にも自分を最優先してくれる一生分の約束を手に入れたと信じている。もちろん、自分が「愛している」と言えばそうするからである。
・「私とこうしていて、嬉しい?」「好き?」女は、わかりきった定型の答えを、飴玉を舐めるように何度も舌の上で転がしてみたいだけなんだから。つまり、男は、女から定型の質問を受けているうちは、惚れられているうちは、惚れられていると思って間違いない。
・欧米の男たちが、自分からパートナーに小まめに声をかけるのは(聞かれなくてもしょっちゅう)「愛しているよ」「きれいだよ」と言っているのは)、彼らが日本男性より女好きだからではない。彼らとて男性脳だから、面倒くさいのは山々なのである。けれど、ことばの飴玉を与えておけば、女たちが機嫌よく暮らしてくれるのを知っているからそうするのだ。
・女は結論から始めるこが不得意で、夕方怪我した話をするのに、朝の食卓のシーンから始めたりする、緊急時には「困ったちゃん」だが、不思議なことに、男を見切るときは別である。女が男に見切りをつけたら、ただ淡々と別れ話を切り出すだけだ。
・「私のどこが好きか具体的に言ってみて」と迫られたら、男は間違いなく困惑するだろう。どこをどう好きか、なんて考えてみたこともない、考えてもどこにもない、のが男性脳だ。賢い男なら、「もちろん、すべてさ」と言ってあげるのだろうけれど。結局のところ、男の気持ちというのは、この世には存在しないのである。正確には、女が考えるような「気持ち」は、男の脳には存在しないのだ。男に気持ちを尋ねるのは、女に年齢や体重を聞くようなものだ。この世にないもの(あってはいけないもの?)を尋ねられるので、嘘を衝かれて、答えようがないのである。
・恋は、発情すれができる。三十歳までは、それでいいいかもしれない。ロマンスは、恋と女の賞味期限を永遠にする、脳の奇跡である。女も三十過ぎたら、この手法を覚えなければ、残りの人生は殺伐としたものになってしまう。ロマンスは、男性脳と女性脳が協力して紡ぎだすものだ。男性脳が放り出した高潔な「結」を、女性脳が温めてものがたりにする。女は自分自身のものがたりに照らされて満ちるのであって、男からものがたりをもらうのではないのである。
・男性脳と女性脳。この二つの脳の決定的な違いは、一カ所である。脳梁と呼ばれる、右脳と左脳を結ぶ場所が、男性脳より女性脳の方が「太い」のだ。
・女性の情緒は、積分関数である。時間軸に、ゆったりと蓄積されていく。男性脳のキーワードが「空間」なのに対し、女性脳のキーワードは「時間」なのである。
よし!これで女心を研究しよう。( ..)φメモメモ