「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する (単行本)
最近ハマっている橘玲氏の本。この本もオモシロイよ〜!読ませるよ〜!
「本の数が多すぎる! だから「読まなくてもいい本」を案内しよう。複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義の5つの分野で知の最前線を学ぶことができる」そのエッセンスを紹介しよう。
・この本は、高校生や大学生、若いビジネスパーソンのための「読まなくてもいい本」の読書案内だ。なぜこんなヘンなことを思いついたのかというと「何を読めば良いんですか?」ってしょっちゅう訊かれるからだ。本の数が多すぎる。1977年は1年間に2万5000点→8万点を超えている。これはたんに、本屋さんに並ぶ本が3倍に増えたというだけじゃない。同じ本を読む人の数がものすごく減った、ということでもある。
・そこで本書では、まったく新しい読書術を提案したい。まずは選択肢をばっさり削ってしまえばいいのだ。人世は有限なのだから、この世でもっとも貴重なのは時間だ。新しい知のパラダイムがわかれば「読まなきゃいけないリスト」をどんどん削除してすっきりできるはずだから。
【進化心理学】
・進化論的にいえば、愛は異性とセックスをして子孫を残すためにつくられた感情だ。愛は生殖機会を増やすから、遺伝子の生き残り競争に勝てたのだ。男と女では生殖機能が違う。男の場合は、精子の放出にはほとんど労力(コスト)がかからないが、女性は、受精から出産までに9ヶ月もかかり、無事に子どもが生まれたとしてもさらに長い授乳期間が必要になる。子どもをつくるときの“投資金額”がオスとメスがかけ離れている。
・ローコストの男がより多くの子孫を残そうとすれば、できるだけ多くの女性とセックスすればいい。すなわち、乱行が進化の最適戦略だ。それに対してハイコストの女性は、セックスの相手を慎重に選び、子育て期間を含めて男性と長期的な関係をつくるのが進化の最適戦略になる。男性は、セックスすればするほど子孫を残す可能性が大きくなるのだから、その欲望に限界はない。一方、女性は女性は生涯に限られた数の子どもしか産めないのだから、セックスを「貴重品」としてできるだけ有効に使おうとする。
・これまで人類は、文学や音楽、映画などで男と女の「愛の不毛」を繰り返し描いてきた。「異なる生殖戦略を持つ男女は“利害関係”が一致しない」のだ。
・同性愛者の行動が異性愛者とちがうのは相手の性別だけで「愛し方」はまったく変わらない。お互いの利害が一致した“純愛”が可能になるはずだ。よく知られているように、ゲイとレズビアンの愛情やセックスのあり方は大きく異なっている。ゲイはバーなどのハッテン場でパートナーを探し、サウナでの乱交を好む。彼らは特定の相手と長期の関係を維持せず、子どもを育てることにほとんど関心を持たない。それに対してレズビアンのカップルはパートナーとの関係を大切にして、養子や人工授精で子どもを育て家庭を営むことも多い。
・ゲイとレズビアンのカップルは、なぜこれほどまでに生き方がちがうのか。進化心理学だけが、この問いに明快な答えを与えることができる。ゲイの乱交とレズビアンの一“婦”一婦制は、男性と女性の進化論的な戦略のちがいが鈍化した結果なのだ。
やっぱり男と女は分かり合えないんだねー。ナットク。特に、「囚人のジレンマ」はオモシロイ。オススメです。