「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜奇跡のカウンセリング小説…『アルトリ岬』(加治将一)

アルトリ岬

アルトリ岬

このブログでもおなじみの作家・加治将一氏。独特の切り口で数多くの話題作を世に送り出しているよね。これはもう読んだかな!?


BOOK〜龍馬暗殺の真相は!?…『あやつられた龍馬』(加治将一
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20070605
BOOK〜初代天皇「X」はどこから来た?…『舞い降りた天皇・上』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20090105
BOOK〜ついに明かされた天皇のルーツ…『舞い降りた天皇・下
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20090224


彼のプロフィールを読んで愕然としたんだけど、ロサンゼルスで不動産の仕事をやっていたときに、何者かに妻を殺害され、いまだに未解決なままだという。…なんという体験じゃあ!(>_<) それを乗り越えた彼だからこそこの本が書けたのかもしれない。


主人公・相川文弥、46歳、結婚して15年。二人の子どもに恵まれたごく普通のサラリーマン。中肉中背、みてくれはどこにでもいる冴えない男。その彼に次から次へと問題が襲いかかる。息子のひきこもり、娘の放浪癖、突きつけられる離婚、そして突然のリストラ……。そしてふと知り合った女性のタロットで「あんた人生で三人の人物と出会うわね。カードによれば…」その言葉を信じ、北海道・伊達への移住を決意し、再出発をする。

そこで出逢った謎の男・印崎。彼の言葉で相川家は徐々に立ち直っていく。彼の「奇跡のカウンセリング」とは何だったのか?生きるとは何か? 幸せとは何か?アルトリ岬とはアイヌ語で、遠く、向こう、という意味。そこで何が起こったのか?印崎のコトバを中心に紹介しよう。


・「宇宙に善悪はないのですよ。たとえば自動車と自動車がぶつかると、どちらが悪いという話になりますが。星と星が衝突してもどっちが悪いということにはなりませんね。どうしてでしょう。それは、人間が絡まないからです。星と星がぶつかったところで人に害を及ぼさないからじゃないですか。人間にとって、どうでもいいことに善悪という考えは及びませんよ。では星と地球がぶつかったらどうでしょう?その結果、大勢の人間が死んだとします。星が悪いでしょうか?そこには宇宙の厳しい現実があるだけです。たとえ星が百万人の命を奪ったとしてもです。つまり宇宙に善悪はないのです


・「人間の作った善とはなんで、悪とはなんでしょう」


・「愛は一方的に与えるもの、与えるだけのものです。仮に愛そうと思ったときには、簡単な方法があります。することは三つだけ。まず相手の過去を水に流すことです。そして現在を賞賛する。最後は未来を応援すること。たったこの三つです。これで相手を受容でき、相手の受容されたと安心します」 −過去を水に流し 現在を賞賛し 未来を応援する−


・「サソリは川の向こうに渡りたい。しかしサソリは泳げません。だから蛙に頼んで背中に乗せてもらうことにした。蛙が泳ぎ始めてしばらくすると、サソリはどうしても蛙を刺したくなります。理由などありません、本能ですから。ただ刺したくて刺したくてしかたがない。そしてとうとうこらえきれなくなってぶすりとやってしまう。その結果、変えるは毒が回って死にますが、しかし自分もまた沈んでしまう。二匹とも終わりです。なんてバカなサソリなんだろうと思うでしょう。自分だって死ぬのに、なぜ刺しちゃうんだろうと。でも毒針を持っている生物の習性なんです。どうしてもやってしまう。ご夫婦で一緒に渡らなければならないのに、奥さんは法律という毒針を持ち、旦那さんは腕力という毒針を持っている。持っていれば使いたくなります。そしてそれぞれが正当を主張します。でも結局、二人の運命は一緒、蛙とサソリなんです


嫌な部分と友達になってみてください。それが強くなる秘訣です。嫌な性格、弱い所、そっくりそのまま抱きしめるのです。


・人間の物差しというのはなんども言いますが、伸び縮みが激しくって、好きなものを測るときには急に長くなったり、体調が悪くなるとあっという間に縮んだりと、ほんとうに一定しません。そんないい加減な物差ししかもっていないのですよ、人間は。それで勝手に描いた理想に恋焦がれ、幻の人生を手に入れようともがいているのですがもうおやめなさい。


心が開く。これがとても大切です。心が開くというのは抗う力が脱け、無抵抗状態になるということです。こうなってはじめて私の話が届きます。それまでは、どんな立派なことを言っても無駄どころか反発しか生みません。


・金持ちが決して悪いとは言いませんが、大富豪は不安をたくさん抱えています。前にも言いましたが。お金を失う不安、お金を増やせない不安、税金の不安、相続の不安、強盗の不安…たいていの金持ちは大金に溺れてしまっていますね。


・一流大学に入ったとか、金持ちになったとか、そんなことじゃありません。人生の勝者とは『今』を満足している人です。これにはだれもかなわない。地位、財産がなくても、今が最高に幸せだと生き生きとしている人物が舞台に登場したら、その人が飛びきりの主役なのです。


・一番悪いのは、なにも口にしない、行動もしないことだと語った。花を贈る。レストランで外食する。旅行に行く。映画や音楽会にいく。ダンスをする。行動は感情を喚起し、定期的な行動は愛を温める保温器なのだ。 行動は「愛の保温器」


試練があってこそ、幸せが深くなる。心が潤っていないといろんな物が欲しくなる。それで偽物ばかりを集めて、心のひび割れを詰めて安心する偽物をいくら集めても虚しいだけ、心の隙間を愛で満たしてごらんなさい。


ラストシーンで印崎の正体が明らかになるところはジーン…!ときちゃうなおあ。映画化の話も来ているらしい。いい本です。小説を読んで癒されるなんて!落ち込んだときにはおススメです。(^v^)