- 作者: レオ・レオニ,谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: 好学社
- 発売日: 1969/04/01
- メディア: 大型本
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BOOK〜知られざる正体!…『イソップを知っていますか』(阿刀田高)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20100321
アリは一生懸命働いて、キリギリスは遊んで暮らして、冬にキリギリスが後悔するというハナシだけど、この絵本はまさにそのネズミ版。しかも詩人や音楽家というのはこんな風に誕生するのか!!!と実に深い中身なのだ!すこしだけ紹介しよう。
あるところに おしゃべり のねずみのいえ ふゆはちかい
ちいさな のねずいたちは とうもろこしの きのみと こむぎと わらを あつめはじめた
みんな ひるも よるも はたらいた
ただ フレデリックだけは べつ
「フレデリック、どうして きみは はたらかないの?」みんなはきいた
「こう みえたって、はたらいてるよ」と フレデリック
「さむくて くらい ふゆの ひの ために ぼくは おひさまの ひかりを あつめてるんだ」
そして また、 フレデリックが すわりこんで まきばを じっと みつめて いると
みんなは きいた。「こんどは なに してるんだい、フレデリック?」
フレデリックは あっさり こたえた。
「いろを あつめているのさ。 ふゆは はいいろだからね」
また あるひ フレデリックは はんぶん ねむってる みたいだった
「ゆめでも みてるのかい、フレデリック」 みんなは すこし はらを たてて たずねた。
「ちがうよ、ぼくは ことばを あつめてるんだ ふゆは ながいから はなしの たねも つきて しまうもの」
ふゆが きて ゆきが ふりはじめた 五ひきの ちいさな のねずみたちは いしの あいだの かくれがに こもった
はじめの うちは たべものも たくさん あった。
のねずいたちは ばかな きつねや まぬけな ねこの はなしを しあった
みんな ぬくぬくと たのしかった
けれど すこしずつ きのみや くさのみは へって いった
わらも なくなった とうもろこしも むかしの ゆめ
いしがきの なかは こごえそう おしゃべりを する きにも なれない
そのとき みんなは おもいだした
おひさまの ひかりや いろや ことばに ついて フレデリックが いった こと
「きみが あつめた ものは いったい どう なったんだい、フレデリック」みんなは たずねた
「めを つむって ごらん」 フレデリックは いった。
「きみたちに おひさまを あげよう。ほら かんじるだろ、 もえるような きんいろの ひかり…」
四ひきの ちいさな のねずみたちは だんだん あったかく なって きた。これは まほうかな? …あとは読んでね。
いろんな解釈ができると思うんだけど、人には向き不向き、適材適所があるんだね。子どもから大人まで楽しめる絵本。オススメ!(^。^)