セレンディピティの時代 偶然の幸運に出会う方法 (講談社文庫)
- 作者: 茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/06/12
- メディア: 文庫
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さて、このブログで何度か紹介している「セレンディピティ」。これ、現代のキーワードのような気がするよね。
BOOK〜Serendipity…『幸福な偶然にたくさん出会う法』(荒木ひとみ)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20080317
テレビでもおなじみの脳科学者の茂木健一郎氏の書き下ろしのこの本。説得力あるよ〜。(^u^)まるでウチ(SA)のテクノロジーの激似!そのエッセンスを紹介しよう。
・偶然の幸運に出会う能力「セレンディピティ」こそが、人間が創造的になるために必要な一番の条件である。現代の脳科学は、そのような新しい考え方を提示しつつある。セレンディピティを生かすために必要なのは、何より行動すること。ただ座して幸運を待っていても、いつまで経っても出会える保証はない。最初は何を目的としても良いから、とにかく何らかのアクションを起こすことが大切です。
・何かに出会ったら、そのことに気づくこと。気づきのためには、ある程度の心の余裕がなくてはならない。当座の目標に夢中になってしまって、目標としていること以外には目が向かないようでは、セレンディピティをつかむことはできない。思いもかけぬ出会いをきちんと自分のものにできること。そのような柔軟な瞬発力が、セレンディピティのために必要である。
・そして、出会ったものに気づいたら、そのことを受け入れること。偶然出会ったものは、今までの自分の世界観を変えるものかもしれない。自分自身が変わらなければ、せっかくの遭遇を生かせないかもしれない。たとえ、変化することがどれほど勇気を必要とすることであっても、自分の内側に招き入れること。そのような受容のプロセスことが、セレンディピティを完成させる。
・脳には、うれしいこと、楽しいことを感じる時に放出される「ドーパミン」という神経伝達物質がある。この小さな化学物質が中脳という場所から、「私」という自我の中枢である大脳皮質の前頭葉に放出されることで、私たちは「幸せ」を感じるのである。ドーパミンが最も放出されるのは、「サプライズ」に対して。予期せぬうれしいことがあった時に、ドーパミンが最も多く放出される。つまり、どれくらいのドーパミンが放出されるかとういうことは、「本来の価値」×「意外性」の掛け算で決まるのである。
何かをする → うれしい → ドーパミンが放出される → もっとしなくなる これが、魔法の作用である。
・8勝7敗がちょうどいい。時には負けた方が良いというのは、脳の仕組みからいっても肯ける考え方。そもそも、脳が学ぶためには、「成功」と「失敗」がほどよく混ざっていなければならない。人間の脳は、試行錯誤によって成長していくもの。
・長野五輪金メダリストの清水宏保選手。「筋肉の一本一本まで」把握し、コントロールできると言われるその身体制御能力は驚異的。ところが、幼少期には、喘息などで苦しむ虚弱体質だったという。別の部屋に移って空気が変わっただけで、発作を起こすのではないかと、その予感に脅える。自分の身体がどのような状態になっているのか、天敵に襲われようとしているウサギのようにビクビクして、内なる対話を続けていたとか。そのようなか弱い体質だったからこそ、自分自身の身体の状態をモニターし、把握す、驚異的な能力が発達したというのだ。欠点こそがチャンスなのだ。
・グーグルのCEO・エリック・シュミット博士、「CEOとしての仕事でまず大事なことは、他人の話を聞くことなのです。たとえば、会議などでは、私はまず自分の意見を言った後、誰かがそれに反論するのを待ちます。異論が出たら、それから沸き起こるディスカッションに、じっくりと耳を傾けるのです。もちろん、最終的な経営判断を下すのは、私です。しかし、その前に、できるだけ多くの人の意見に耳を傾ける、そのような時間がどうしても必要なのです。どんなに頭の良い人がいたとしても、その人ひとりの智恵よりも、多くの人の意見を集めた結果出てくる叡智のほうが優れているからです。これは、もう、経験上マチガイありません」
茂木さんの本は、どれもわかりやすくてためになるねえ!こっちもオススメ!(^。^)
BOOK〜脳が喜ぶ行動を!…『脳を活かす生活術』(茂木健一郎)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20090806
BOOK〜ひらめきは「体験×意欲」…『ひらめき脳』(茂木健一郎)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20080130