最近は、トシのせいか、涙もろくなって困る。(ToT) 特に親子モノや故郷モノには、特に弱い…。涙腺がウルウル…。さて、この本も泣いた…。タイトルがいいじゃないすか!「津軽百年食堂」特に後半の第4章、第5章には、思わず電車で泣いてしまいました…。感動の一冊!
青森県津軽地方には、70年以上続いている大衆食堂が多数存在するという。その中で開店100目を迎え、津軽蕎麦の味を守り続ける弘前市内のある大衆食堂を舞台に、時代は、明治、大正、昭和、平成の4つの時代。そして主人公が、「大森哲夫」「大森賢治」「大森陽一」「筒井七海」「藤川美月」「大森トヨ」「大森明子」と語り部を変えながら進んでいく壮大なドラマ。
自分の夢を叶えること、店を継ぐということ、恋愛と結婚、親子の絆、故郷と都会、こんなテーマが絶妙に絡んでいる。私はまだ食べたことがないのだが、「津軽蕎麦」が食べたくなりました。弘前のさくらまつりに行きたくなりました。百年食堂に行きたくなりました!(^。^)
最も泣けるのが、初代・大森賢治の友達のほら吹きよっちゃんが作った日本一の螺鈿(らでん)で抽き出しを、臨月の妻・トヨに語るシーン。
「この抽き出しはよ。馬鹿に馬鹿を重ねた上に、さらに大馬鹿を重ねて塗ったんだ。百年経っても平気なくれえの傑作だ。賢治になっ、くれてやったら、それこそ俺は大馬鹿だべさ? 」
よっちゃんは、お腹の中の小さな命に向かって。
「おい、二代目。俺の声、聞こえっか?この螺鈿はよ。おめえの孫に作ってやったんだ。だから、悪りぃが、おめえのもんでもねえ。俺はきっと、おめえより先に死んじまって、この世からいなくなっけども、孫の代までしっかりと俺の心意気さ受け継いでいってくれいいな。頼んだぞ」
百年続くってすごいよね…。この本を読んで父母の青春時代や祖母祖父、小野塚家のご先祖様のことを考えました。文句なしで今年のベスト10に入るケッサク!オススメ!読むべし!(^^♪