「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「蔦重の教え」(車浮代)

日頃お世話になっているTSUTAYAのネーミングの由来は、「写楽」や「歌麿」を生み育てた江戸時代の超やり手プロデューサー、蔦屋重三郎(蔦重)だった!?って知ってた?(・o・)

「55歳、依願退職願いを強要された人生がけっぷちのサラリーマン、武村竹男(タケ)がタイムスリップした先で出会ったのは、蔦重
23歳の青年に若返った状態で蔦重に拾われたタケは、時代の寵児となる画家たちと親交を重ねながら、商売と人としての生き方の極意を学んでいく―――」そのエッセンスを紹介しよう。


蔦屋重三郎、みな蔦重と呼ぶ1780年代半ば、天明五年230年以上先の日本からやってきた人間 見かけは20代だが、本当は55歳のおっさん、ここの来るハメになった理由と、この先どうなるのか、全くわかっていない。


・俺は、人生ってのは知恵比べだと思ってんだ。考えぬいた方が勝つのが道理だ。知恵を絞った奴に騙されたんなら、引っかかった方が負けなんだよ。騙されて悔しけりゃ。知恵を絞って騙し返せばいいし、でなきゃあ己の馬鹿を呪って、二度と騙されないように用心すりゃあいい。……あとはそうだな。相手を称えて笑い飛ばすってテもあるがな。


挨拶ってのはよ、人にだけすりゃいいってもんじゃねえぜ。出かける時の『行って参ります』も、帰ってきた時の『ただいま戻りました』も。余所(よそ)へ行った時の『お世話になります』も、家や土地にもきっちり礼を尽くさなきゃな。おかげさんで俺たちは行かれてんだからよ。


・江戸の人々は、しばしば『今日様』という言葉を使う。朝起きるとまず。お天道様に向かって『今日様、今日もよろしくお願いします』と拝み『生きていられるのは今日様のおかげだよ』と諭し、寝起きの悪い小僧には、『今日様に申しわけないよ』と小言を言う。


『おかげさま』は『お陰様』=人を生かしてくれている全ての自然エネルギーや事象ー人の恩を含める森羅万象を表す、象徴的な言葉。日本には古代から、『八百万の神々』信仰がある。お天道様を始め、火や水や米など、万物に神様が宿っているという多神論だが、『お陰様』に感謝するということは、目の前にいる人だけでなく、その人を形成した親や先祖、八百万の神々に感謝するということで、『今日様』に感謝するといことは、この瞬間から始まる未来に感謝するこということだ。『お陰様』と『今日様』。これらは、現代に生きる日本人が一番なくしてしまった感覚ではないだろうか。


【気の合わない人間ほど丁寧に接する】


気心が知れないからこそ、用心されているのでございます。相手の気に沿わぬことをして隙や借りを作りたくないというのが一つ。また、必要以上に丁寧に接していれば、敵視されることも、今以上に親密になることもなくて済みます。つまり、『他人行儀』という幕を張って、相手との距離を保つのでございます。


【断る可能性が高い誘いはすぐに断る】


回答を引き延ばせば伸ばすほど、いざ断った時に、相手は自分が何かの後回しにされたと、気分を害するものでございます。礼を尽くした上ですぐに断れば、相手は他意を感じることなく、本当に都合が悪いのだと思ってくれますから、失礼にはあたりません。


【好きな仕事で人の役に立つ】


てめえが好きでやってる仕事が人に喜んでもらえるなんてよ、こんな目出てぇことなへえと俺は思うぞ。それこそ天分を活かす、ってやつだ。俺が版元なんて商売を始めたのも、てめえの好きと、人様を驚かしてえ、喜ばしてえって気持ちが合致したからだ。


いいなあ!言葉遣いも風習も、江戸時代の息吹が感じられる一冊!続編をぜひ期待したい!オススメです。(・∀・)!