- 作者: 乾くるみ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: 文庫
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BOOK〜驚愕のラスト2行!…『イニシエーション・ラブ』(乾くるみ)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20090703
さて、もしタイムマシンがあったら?もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら? この夢のような「リピート」に誘われ、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。ところが彼らは一人、また一人と不審な死を遂げて……。
ある日、大学4年の毛利のところに、今から1時間後に地震が起こるという電話がくる。風間と名乗る男は、時間旅行者=リピーターだった。「一緒に過去の自分に戻りませんか?」彼は、今の記憶はそのままに、意識だけ10ヶ月前の自分に戻れる時間旅行=リピートに、毛利を勧誘する。疑いつつも参加した説明会には、年齢も職業も異なる9人が集まる。リピートというものに疑心暗鬼を抱きつつ、案内役の風間を含め、10人を乗せたヘリコプターは時空の裂け目へと向かうのだが…。そのエッセンスを紹介しよう。
・「ええ、時間が巻き戻るのです。過去のある時点における、自分の肉体の中へと、自分の意識が戻るわけです。ただし、今まで経験してきたことの記憶はそのままで、つまり未来の記憶を持ったまま、過去のある時点から、自分の人生をやり直せる―それを私たちはリピートと呼んでいます。そんな夢みたいなことが現実に出来ると知ったら、誰もがそれを望むとは思いませんか?」
・「十月のある日のある時刻になると、ある場所に、口が開くのです。何と言うか―時空の裂け目、黒いオーロラとでも言いましょうか。で、そこに入ることによって、今年の一月の時点へと、時間が戻ってしまうわけです。誰であろうとも過去へ戻れる。…簡単にいうと、まあ、そういうことになりますかね」
・「さて、リピーターが実際どんなメリットを持っているのか―どんなアドバンテージを持っているのか、というと、唯一、未来の記憶を持っているということろが、他の、普通の人たちと違っているわけです。でもそれは、あくまでも記憶だけの話です。メモは過去に持っていけないわけです」
・「注意点はすべてリピート後の生活についてなのですが、まず一点。リピートの秘密は決して誰にも漏らさないでください…中略…」
この本は私たちの何気ない行動が何かのきっかけになる、風が吹けば桶屋が儲かるのように、ドミノ倒しのようにつながっているんだなあ…とよくわかりました。私は「リピート」は要らないかな…。いつも全力で生きているんで。でもめっちゃ面白いよ。おススメ!