「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜天才詩人の文学宇宙とは?…『金子みすゞ童謡集』

金子みすゞ童謡集 (ハルキ文庫)

金子みすゞ童謡集 (ハルキ文庫)

4月26日の誕生日には、全国の皆様よりたくさん、プレゼントをいただきありがとうございました。
まだ、私のカバンには若干の余裕がございますので、いまだ受付中です…!?

さて誕生日にいただいた本がコレ。(^v^)以前、26歳で夭折した金子みすゞさんの本名が「テル」だと聞いて、親近感をもってたところ、ドンピシャ!
名前だけは聞いていたけど、実際に読んでみると深いね。独特の感性というか宇宙観、人生観がにじみ出ている。特に気に入った詩を紹介しよう。


私と小鳥と鈴と


私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のやうに、
地面(じべた)を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに、
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。


お魚

海の魚はかわいそう
お米は人に作られる、
牛は牧場で飼われてる、
鯉もお池で麩を貰う。


けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし
いたずら一つしないのに
こうして私に食べられる。


ほんとに魚はかわいそう。




波は子供、
手つないで、笑って、
そろって来るよ。


波は消しゴム、
砂の上の文字を、
みんな消してゆくよ。


波は兵士、
沖から寄せて、一ぺんに、
どどんと鉄砲うつよ。


波は忘れんぼ、
きれいなきれいな貝がらを、
砂の上においてくよ。




こッつん こッつん
打(ぶ)たれる土は
よい畠になって
よい麦生むよ。


朝から晩まで
踏まれる土は
よい路になって
車を通すよ。


打たれぬ土は
踏まれぬ土は
要らない土か。


いえいえそれは
名のない草の
お宿をするよ。 



不思議


私は不思議でたまらない、
黒い雲からふる雨が
銀にひかっていることが。


私は不思議でたまらない、
青い桑の葉たべている、
蚕が白くなることが。


私は不思議でたまらない、
たれもいじらぬ夕顔が、
ひとりでぱらりと開くのが。


私は不思議でたまらない、
誰にきいても笑ってて、
あたりまえだ、ということが。



積った雪


上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。

下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。

中の雪
さみしかろな。
空も地面(じべた)もみえないで。


なんか海を見ながら砂浜に腰掛けながらじっくりと読んでみたい、そんな本だね。おススメ!


金子みすゞ WORLD
http://home.owari.ne.jp/~fukuzawa/misuzu0,.htm

金子みすゞ 記念館
http://www.city.nagato.yamaguchi.jp/misuzu/