「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「人間・金子兜太のざっくばらん」(金子兜太)

自称、シンガーソングライターであり、酒場のギター弾きでもあり、詩人、歌人でもある私。(笑)

さて、この本。日本の俳句界の巨匠・金子兜太氏の俳句論&人生論。そのエッセンスを紹介しよう。


私は生まれながらにして俳句しかできない男です「俳句の塊」で、俳句のアイデンティティーなのです。まさに日本の民俗誌の塊なので、民俗誌の塊として今の世の中のことをこう受け取っているんだと、述べているだけです。


人間の始まりの時代、森の生活の中で暮らしているときのその生活の姿を、今でも我々人間は子どもの頃からずっとみんな持っていると。それを私は「原郷」志向と呼びます。誰にでも原郷志向があって、それは死ぬまで生きている。そうすると小林一茶のように、欲をふくらませて世間を行き、同時に原郷志向とともに「生き物感覚」が生々しくはたらいているときには俳句を作り、それをテコにして、自分の娑婆での嫌な暮らしをコントロールし、あるいは我慢している。


生き物としての本能の純度が基本。生々しく生きてる人間の生きもの感覚が基本。俳句はそれに一番適合しやすいんです。俳句とともに育ってきた私には、自分の生なものを出すのに俳句が一番よい。ちょうどいい短さ。五・七・五というのは日本列島の土の中から生まれてきたリズムだと思いますからね。


「荒凡夫として生きる」座右の銘にしています。60歳の頃病気で倒れ、回復した小林一茶「自分も幸い健康になった。これからは荒凡夫として生かさせていただきたい」と阿弥陀如来にお願いしている。自分はどうしようもない人間で、愚の上の愚を積み重ねている。


なるほど〜!俳句をやる人はここまで腹をくくっているかあ…。表現者ってスゴイねえ。オススメです。(・∀・)!