「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜『カップヌードルをぶっつぶせ!』(安藤宏基)

私が小学生のころ誕生した、世界初のカップ麺・日清カップヌードル。(^J^) 不思議なものでふっとしたときに食べたくなるのはこのブランドだよね。まさにお袋の味。即席ラーメンは、サッポロ一番だね、私の場合は。(^v^)

さて、この本は面白かったなあ!!!安藤宏日清食品ホールディングス社長・CEOで、日清食品の二代目である著者が、創業者であり父でもある安藤百福についての思いや、ブランドマネージャー制などの競争構造の導入などの革新的なマーケティング戦略を描く自叙伝。そのエッセンスを紹介しよう。


安藤百福の最大の性格的特徴は、人並み外れた「執念」にあった。思いつめたらもうほかの事は目に入らない。「考えて、考えて、考え抜け。私が考え抜いたときには血尿がでる」「発明はひらめきから、ひらめきは執念から」という言葉を残している。子供のように好奇心が旺盛で、何にでも興味を持つ。いったん興味を持つと、われを忘れて没頭する。創業者と親交の深かった福田赳夫元総理は、「安藤さんはスッポンのような人である。いったん食いついたら離さない」と冗談交じりに挨拶されるのが常だった。しつこい性格はつとに有名だったようである。


創業者は九十歳を過ぎても、枕元に赤鉛筆とメモ用紙を置く習慣は変わらなかった安藤百福という人は、いつまでも子供のような好奇心を持ち続け、どんなことにでも深い関心を示した。そして、常識を超えた発想を手がかりにして、「執念」で新しい商品を発明した。創業者の背中を見て私が学んだ一番大きい教訓は、このすさまじい「執念」だった。また「時は金なり」が口癖だった。「時計の針は時間を刻んでいるのではない。命を削っていると思え」とよく言ったものである。


・私は小学生のころからインスタントラーメンを食べ続け、日清食品に入り、社長になった後も、ずっと新製品の試食を続けいてる。私の体は、どこを切ってもラーメンなのである。ラーメンに対する愛着は誰にも負けない。私も創業時に家族とともに汗を流し、ラーメン作りに熱中した。


・社長に就任すると同時に、所信を表明した。私に与えられた仕事は何だろうと考えた。すると二つの言葉がすっと出てきた。
創業者精神の継承長期安定成長のための基礎づくり。企業百年の大計をたてるためには、この二つのバランスを取ることが大切だと思った。すなわち草創成就・これが私の経営課題となった。
しかし、これとは別に、日々の業務に役立つような具体的な指針が必要だろうと考えた。そこで提唱したのがイノベーションマーケティングを経営の両輪とする」というものだった。そのスローガンが、「打倒カップヌードルだったのである。そして丸い皿型カップに入れた「焼そばUFO」。どんぶり型のカップに入れたどん兵衛きつね」を発売した。いずれも、業界では初めての新型容器だった。高価で生めんタイプの日清ラ王、生タイプうどん「ごんぶと」、生タイプのスパゲッティ「SPA王」セブンイレブンの提案で共同開発した一風堂」「山頭火などの有名店シリーズ。などを次々と生み出したのである。



・二代目は創業者とけんかするものと相場が決まっているのである。言い換えれば、けんかするくらいの根性がないと務まらないとも言える。具合が悪いことに、異能の人と普通の人とのけんかはなかなか決着がつきがたい。そこでまとめたのが「四つの教訓」=「四つのけんかのルール」である。

教訓1 会社の無形資産の中で最大価値は「創業者精神」であると思え
教訓2 二代目の功績は創業者の異形の中に含まれると思え
教訓3 二代目は「守成の経営」に徹すべし
教訓4 創業者の話に異論を挟むな。まず「ごもっとも」と言え


二代目は、創業者の話を聞くのが仕事だと思った方がいい。何度も聞いて深く考えれば、創業者の時間間隔や考え方が理解できるはずである。創業者が二代目に寄せる思いとは、突き詰めれば「愛情」しかないということが分かる。このシンプルな創業者の審理を理解するのに、私は二十年かかった。強情だったからである。そこで消耗したエネルギーは取り返しがつかないくらい膨大である。どうか賢明な諸氏には、私が二十年かかったことを、三年くらいで成し遂げていただきたいものと思っている。


・『日清マン十則』
1 顧客の満足のために、本物だけを全力で売れ。
2 日清食品のグランド・デザインを描け。
3 ブランド・オーナーシップを持て。
4 ファースト・エントリーを誇りとせよ。
5 常にカテゴリー№1をめざせ。
6 実感したことを自分の言葉でしゃべれ。
7 逃げるな。立ち向かえ。
8 不可能に挑戦し、ブレーク・スルーせよ。
9 セクショナリズムと闘え。
10 決断なき上司は無能と思え。社長へ直訴せよ。


・創業者はいつも日清食品は偉大なる中小企業でありたい」と言っていた。私も、少なくともすべての管理職と、名前と顔は覚えておける程度の距離感を保ちたいと思っている。そのため、毎年春に三百人近い管理職全員の「管理職面接」を行っている。業務の合間を縫ってやるのだが、一人最低三十人はかける。全員終わるのに三か月かかる。「煙草をやめなさい」「太りすぎているから体重を落としなさい」この二つだけは、必ず言うようにしている。


・創業者は、「食品はおいしすぎてはいけない。少し余韻を残すことによって、再購入につなぐことができる」と常々言っていた。カップヌードルを食べて、「めちゃくちゃおいしい」という人は少ない。「いつ食べても、まあまあおいしい」というところで留まっている。しばらくして小腹が空くと、また食べたいという気持ちが起こってくる。おそらくカップヌードルは、その量と味わいにおいて、満足感と満腹感を絶妙なバランスで満たしている商品なのだと思う。それが、カップめんのトップブランド」のポジションを四十年近くにわたって守り続けてきた理由なのである。


・創業者は、「成長一路、頂点なし」というものがある。チキンラーメンに最後まで不満を感じていたし、カップヌードルは未完成」が口癖だった。二つとも、あんなに完成度の高い商品なのに、いつも「もっとなんとかならんのか」と嘆いていた。


・あるデータによると、消費者のクレームが適切に処理されたときには、商品の再購入率は80%を超えるらしい。クレームの中には貴重なアイデアがいっぱい潜んでいる。チキンラーメン卵ポケットの成功で、私には「顧客クレームは宝の山」と思えるようになった。


国立民族学博物館名誉教授の石毛直道氏は、かつてこう言われた。「戦後、日本が発明した食品で普及したものは三つある。味の素とキッコーマンしょう油とインスタントラーメンだ」と。「しかし、それだけで食事になる加工食品はインスタントラーメンしかない」


ん〜深い…。ウチ(SA)も桑原正守という偉大な創業者がいる。我々はその遺伝子を語り継いでいかなければ!(゜o゜)