食のエッセイの第一人者といえば、東海林さだお氏がイチバンだろう。しかし、二番目といえば、この人だろう。「孤独のグルメ」の原作者、久住昌之氏。泉晴紀氏と組んだ「泉昌之」の「かっこいいスキヤキ」は名作中の名作だ。笑った、笑った!(・∀・)
さて、この本。久住氏が、愛する二十六品目のメニューについて、熱く語る抱腹絶倒のエッセイ。そのエッセンスを紹介しよう。
【とんかつ】
今日はこれ食べたらがんばるぞ!という時、俺はとんかつを食べることが多い。とんかつ直後というのは、満腹ながら引き締まった充実感がある。何か自分が男として一回り大きくなったような気がする。胸回りとか。コブシの大きさとか。
「今なら勝てるんじゃないか」何に?誰に?わからないけど、自信のようなものが下腹の辺りにドンと座るというか。
【おにぎり】
コンビニのおにぎりは、年々おいしくなっているけど、どうしても納得いかないことがある。具がご飯の中心に入っていない!本体の側面になすり付けられている。あれは真のおにぎりではないと、俺は思う。具は、白いご飯の、できれば中心に、核として存在して欲しい。三つの角のどこから食べても等しい距離に深く潜んでほしい。おにぎりにおいて、具が海苔に直接触れてちゃ、いかんと思うのだ。土足で畳に上がっているような気がするのだ。「ライスボール」じゃない、球じゃない。あの丸くて三角の形に神は宿るのだ。
その他、「焼肉」「ラーメン」「ナポリタン」「納豆」「カレーライス」「あんぱん」「おかゆ」「(屋台の)焼きそば」「サンドイッチ」「冷やし中華」「カップヌードル」「弁当」「大根」「ねこまんま」「うなぎ」「塩辛」「立ち食いそば」「韓国のお刺身」「天丼」「豆腐」「お茶漬け」「さんま」「そうめん」「キャベツ」など。
ああ〜お腹が空いてきた〜!笑った〜!食べてから読むか、読んでから食べるか。オススメです。(・∀・)