笑う科学 イグ・ノーベル賞 (PHPサイエンス・ワールド新書)
- 作者: 志村幸雄
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2009/10/21
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
この本は日本人受賞者の取材をもとに、イグ・ノーベル賞の秘められた魅力に迫る!そのエッセンスを紹介しよう。
・「まず人を笑わせ、そして考えさせる」研究を授賞対象している。本家のノーベル賞とは目的も違えば、一般の評価も異なる、しかし、科学研究、技術開発の場で発揮された研究者の遊び心やパロディ的思考は、常識にとらわれない独創的発想や、研究対象に迫るひたむきな探究心と相まって、科学研究のあり方に一石を投じたものであることは間違いない。
・「本年度受賞できなかった候補者には、来年の幸運をお祈りする。また、本年度受賞の栄冠に輝いた候補者には、来年にはもう少しましなことが起こることをお祈りする」(授賞式の最後に述べる言葉―マーク・エイブラハムズ イグ・ノーベル賞委員会委員長)
・受賞の公式基準として、メインの「人を笑わせ、そして考えさせる」研究とともに「真似ができない、またするべきでない」業績の両項目を挙げ、さらに非公式基準として「目を見張るひどバカげているか、刺激的でなければならない」と謳っていて、このうちいずれかの基準を満たすのが原則なのだ。
・受賞者には受賞スピーチの時間が用意されているが、時間は最長でも60秒に制限されている。あくまで時間厳守で、制限時間を超えると、ステージ脇の少女がつかつかと演壇に近づき無暴にも「もうやめて、飽きちゃった」という言葉を繰り返すのだ!
・こともあろうに韓国・統一教会の教祖である文鮮明師が「結婚産業のマスプロダクション化への貢献」で2000年経済学賞を受賞したのは、不可解といえば不可解である。同賞創設者のマーク・エイブラハムズ氏が「経済学賞の受賞者は、授賞式に出席することはまずない。ほとんどの受賞者が、5年から15年の懲役に服しているからだ」と述べているのは、いささか不謹慎な発言に過ぎるが、問題の核心を衝いているように見える。
今までのケッサクの受賞テーマはコレ!笑えるよね〜!\(~o~)/オススメよ!
・「ロンドンのタクシー運転手の頭脳は一般の人よりも発達していることを実証した研究」(2003年医学賞)
・「古代の彫刻と実際の人間では陰嚢(いんのう)の大小が左右逆になっていることの実証」(2002年医学賞)
・「性交中の男女の生殖器と性的に興奮した女性のMRI(磁気共鳴診断装置)撮影」(2000年医学賞)
・「トーストがバターを塗った面を下にして落下することを実証した功績」(1996年物理学賞)
・「ハトによるモネとピカソの作品の識別」(1995年心理学賞)
・「イヌとの対話を実現した犬語翻訳機「バウリンガル」」(2002年平和賞)
・「兼六園の銅像がハトに嫌われる理由の化学的考察」(2003年化学賞)
・「人々が互いに寛容になることを教えたカラオケ発明」(2004年平和賞)
・「身長、ペニスの長さ、足の大きさの間に成立する関係」(1998年統計学賞)
・「思春期における男女の鼻クソをほじる行動の研究」(2001年公衆衛生学賞)
・「イヌに寄生するノミは、ネコに寄生するノミよりも高く飛ぶことの発見」(2008年生物学賞)
・35年間に渡り自分の食事を撮影し、食べた物が脳の働きや体調に与える影響を分析した功績(2005年栄養学賞)
〜あのドクター中松が三日前の食べ物が自分の頭の働きや体調に影響を与えることを突き止めた。
・ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出する研究をした功績(2007年化学賞)