- 作者: 指南役
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2007/11/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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BOOK〜空気の謎を解き明かす!…『空気のトリセツ』(指南役)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20100122
BOOK〜すぐれた企画のツボとコツ!…『「考え方」の考え方』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20100109
この本もまたまた目が離せない!なぜなら、世界初!「透明人間の生態」を解明したのだ!が「目に見えない巨大マーケット」を浮き彫りにするマーケティングの問題作。その一部を紹介しよう。
・透明人間、それはあなたです。なぜなら、あなたは―
人には言えないけど、実はキムタクが好き。初めての店で注文するメニューは、大抵「私も」。大河ドラマの主役は、正直誰でもいい。ビリーズブートキャンプは、まだ開封していない。―でしょ?
・透明人間とは?−その質問に答える前に、透明人間じゃない人たちを何人か挙げてみよう。
アフターファイブにお一人様レストランに行くOL。
プチ家出して渋谷に一週間寝泊まりする女子高生。
ネットカフェ難民。
成田空港に韓流スターを身に行く主婦。
夏休みに入って最初の日曜日に湘南に出掛ける家族連れ。
―ほら、テレビや雑誌に登場する彼ら。でも、あなたの身近に彼らのような人たちって実際にいます?
多分、いない。なぜなら彼らは際立った個性でマスコミに取り上げられるけど、その実態は極めて少数派だから。それに対し―僕もあなたも、あなたの周りの人たちを見渡しても、際立った個性があるわけじゃない。際立った個性がないから、姿かたちがマスコミで報じられることはない。そう、これが透明人間。そしてこの世の大多数は、そんな透明人間で占められている。サイレントマジョリティ。
でも、この世のヒット商品は、そんな透明人間たちの支持がなければ、決して生まれてはこなかったのです。
・あなたの家の中を見渡してほしい。衣料や電化製品など、様々なもので溢れていると思う。その中で、食料品を除いてこの一か月以内に手を触れたものは何点くらいあるだろうか。
ある調査によると、家の中にある物の95%は、過去一年間、まったく手を触れていないものらしい。例えば、服。何十着と持っていても、日ごろローテーションで着回すのは、せいぜい7〜8着程度。あれほど待望して購入した名作ドラマのDVDボックスも、第一巻を見ただけで、二巻以降はビニールも開封していないなんてことはザラ。要するに―僕ら透明人間は、かなり飽きっぽい。立ち読みで吟味して買ったはずの雑誌は一度も読まないまま古紙回収に出してしまうし、コンビニで衝動買いしたカップラーメンは買ったことすら忘れている。
・「必要は発明の母」と言われる。しかし、今日、僕らの周りに溢れている消費品のほとんどは、実は僕ら透明人間のニーズから生まれたものではない。エジソンは、蓄音器を発明した当時、それが音楽を録音・再生するものとは認識していなかったのだ。え?じゃあエジソンは何のために蓄音器を発明したかって?遺言だ。あの大発明家のエジソンですら、今日の音楽産業の隆盛を予知できなかったのだ。
・テレビの登場前、僕らはテレビ番組を見たいと欲していただろうか?ノン。テレビの登場前、日々のニュースは新聞やラジオで事足りたし、娯楽は映画が全盛だったし、スポーツはこの目でリアルタイムで見るものだった。そもそも「テレビ番組」という概念すら、当時の透明人間は持っていなかった。インターネットもそうだ。ウォークマンもそうだ。再生専用の小型カセットデッキをヘッドホンで聴く―今にして思えば、子供でも考えつきそうなアイデアだ。、しうかし、当時の井深大ソニー名誉会長以外、誰も思いつかなかった。「録音機能のないカセットデッキなんて」「音楽は家の中で聴くもの」そんな反対意見を押し切り、強引に発売にこぎつけたのが、当時の会長の盛田昭夫氏であった。そして、いざ発売したところ―大ヒット。
どう?興味深いでしょ!?迷える時代のマーケットは、「透明人間」を知ることから始まるのかも。オススメよ!(^。^)