- 作者: 竹内一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 新書
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・舞台であれ、映画であれ、マンガであれ、物語を作る上で最も感動的なシーンには言葉で説明するのではなく、「絵で見せる」という鉄則がある。 アメリカの心理学者アルバート・マレービアン博士は人が他人から受け取る情報(感情や態度など)の割合について次のような実験結果を発表している。
顔の表情 55%
声の質(高低)、大きさ、テンポ 38%
話す言葉の内容 7%
話す言葉の内容は7%に過ぎない。残りの93%は、顔の表情や声の質だというのである。身だしなみや仕草も大きく影響するだろう。ついついコミュニケーションの「主役」は言葉だと思われがちだが、それは大間違いである。人は能力や性格もひっくるめて、「見た目が九割」といっても差し支えないのではないかと考えている。
・私たちは、子供の頃小学校の先生に「人は外見で判断してはいけない」と教えられた。それは「人は外見で判断するもの」だから、そういう教育が必要だったのだ。逆にいうなら、「人を外見でしても、基本的には問題ない。ごくまれ、例外があるのみである」といってもよい。
・演出家が、登場人物が「緊張している」というシーンを作るときにどうするか。それを表現するのに簡単なやり方が、まず声のトーンを高くすることだ。「うわずる」と呼ばれる状態である。アメリカでは、アナウンサーは低い声を出すように指導される。低い声には、相手を和ませる効果がある。声のトーンは、長年の習慣で身に付いたものだが、ボイストレーニングで変わるものだ。声帯は筋肉である。鍛えれば、その分能力は向上する。
・私たちが子どもの頃は、公衆電話の色は赤と決まっていた。遠くからでも見えるためには、目立つ色が最適だったのだ。だが、やがてピンク、緑、現在ではほとんどの公衆電話が灰色である。理由は、公衆電話が目立たなければならない時代が終わったからである。かつては必要不可欠だったから、最も目立つ赤である必要があった。
・ドイツでの調査。子供たちを二つのグループに分け、一つは明るい色を使った部屋、もうひとつは白と黒と茶に塗った部屋で遊ばせた。明るい色を使った部屋で遊んだ子供たちの知能指数は12点上昇し、白黒茶に塗った部屋で遊んだ子供は、14点も下がったのである。部屋の色が知能指数に影響を及ぼすこともあるのである。
・アメリカのイラストレーター、ジョン・ファイト氏の発案で、大病院の巨大な白い壁に、ファイト氏が黒い線で輪郭を書き、入院患者が塗り絵の要領で色を埋めていき、患者全員で力を合わせて一枚の絵を描く。
「病院に来る患者は、必ずどこかが痛いんだよ。でも、待合室に一枚でも絵があれば、それを見た瞬間、『あっ、きれいだな』と一瞬でも思うだろう?人間は『きれいだな』と思った瞬間には、痛みを忘れるものなんだよ。なぜなら二つのことを同時に思うことはできないからね。絵があれば、一秒でも0.1秒でも、痛みが忘れられるんじゃないかと考えたのさ」
・遠距離恋愛は、ドラマ、小説では定番の設定である。普通の恋愛よりも成就したときの感動が大きいからだ。一組の男女が結婚する確率は、婚約者同士の距離が遠くなるほど減少する(ボッサードの法則)。物理的な距離はやはり心理的な距離とは無縁ではない。
・新生児は、生後すぐには表情がない。生後二週間経つと、目の周囲の筋肉が発達するので、表情が出てくる。生後二週間では大人の表情を見て学習するとは思えないので、表情は本能なのである。ところが、生後三〜四か月経つと、他人の表情を学習することが分かっている。とりわけ赤ん坊は母親の表情を学ぶ。母親の表情に反応して笑うのだが、当然母親の表情に似てくる。この場合は後天的な笑いである。
・恋愛の中で言葉の占める重さは何%であろうか。恐らく、ビジネス・シーンよりその比率は下がるだろう。ノンバーバル・コミュニケーション力が高いと、たとえ仕事はできなくても、人生を豊かなものにできるのではないか。
ん〜!そーだったのかあ!?やっぱり見た目も大事なコミュニケーションだよね。よーし!私は残り1割で勝負しよう!?(^−^)(違うかっ!?)
BOOK〜見た目を磨こう!…『見た目で選ばれる人』(竹内一郎)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20090417