- 作者: 立川談春
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2008/04/11
- メディア: ハードカバー
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その自伝的エッセイは、12万部のベストセラーになった、この「赤めだか」。なぜ、このタイトルなのかは、読んでみると分かるよ。(・。・)この子弟愛というか、伝統ある落語界のあれこれ、はちゃめちゃな前座生活が語られているが、どれも笑えるけど、ホロリとさせるエピソードが満載。さすがに談春師匠!噺家だけあって、文章も上手い!そのエッセンスを紹介をしよう。
・立川談志の「芝浜」に魅せられ、高校に入ってから談志の追っかけをはじめる。世間の評判は決してよくなかったが、僕は魅せられた。寄席ではほとん落語はやらず、鋭くて、新しくて、危なくて、激しい漫談だったが、必ず爆笑をとった。聴く者の胸ぐらつかんでひきずりまわして自分の世界に叩きこむ談志の芸は、志ん朝の世界とは全く別物で、聴き終わったあと僕はしばらく立てなかった。談志の弟子になろうと決めたのはその時だった。
・談志は言った、「自分の人生を十七歳で決断する。これは立派だ。断ることは簡単だが、君に落語家をあきらめなさいと俺には云えんのだ。弟子になる覚悟ができたら親を連れてもう一度来なさい。勿論反対するだろうが、そのくらい説得して来い。親の許可なしでは預かることはできん。わかったな」
・落語家の前座はどんなに生活が苦しくてもアルバイトは基本的には許されない。ならばどうやって暮らしてゆくのか。立川流の前座にとってはそれが一番の大問題である。落語協会や落語芸術協会の前座は、寄席というホームグラウンドを持つ。弟子になり師匠の身の回りの世話や雑用をこなすので、食事は師匠が食べさせてくれる。しかし、立川談志は落語共同体を飛び出した。出て行ってくれてホッとした人は多かっただろう。寄席を持たない立川流。談志(イエモト)は独自の歩みを始めたが、弟子の育成に関しては問題が多かった。
・立川流は、一家ではなく、研究所である。弟子になったばかりの若者が、時間割を決め、資料を集め、ひとつひとつ自分で考え、覚え、それを談志(イエモト)の前で発表する。発表した物に限って談志(イエモト)は次の課題を見つけるヒントだけ与える。実力、能力を優先した本当の意味での平等と自由はあるが、残酷なまでの結果も必ず出る。、それが談志(イエモト)の選んだ教育方法である。
・立川談志語録。
「前座の間はな、どうやったら俺が喜ぶか、それだけ考えてろ。患うほど気を遣え。お前は俺に惚れて落語家になったんだろう。本気で惚れてる相手なら死ぬ気で尽くせ。サシで付き合って相手を喜ばせられないような奴が何百人という客を満足させられるわけがねえだろう。」
「よく芸は盗むものだと云うがあれは嘘だ。盗む方にキャリアが必要なんだ。最初は俺が教えた通り覚えればいい。盗めるようになりゃ一人前だ。時間がかかるんだ。教える方に論理がないからそういういいかげんなことを云うんだ。いいか、落語を語るのに必要なのはリズムとメロディだ。それが基本だ。ま、それをクリアする自信があるなら、今でも盗んでもかまわんが、自信あるか?」
・立川流の落語家それぞれが自分の人生をかけて立川談志と芸人のアンテナに触れたいと思い弟子になったが、その者達に対して立川談志は無条件にで電波をながすようなことはしない、弟子はみな、談志(イエモト)に恋焦がれている。断言して構わないだろう。なぜなら、損得だけで付き合うには談志(イエモト)はあまりに、毀誉褒貶(きよほうへん)が激しすぎる。離れて忘れた方が身のためと、実は誰もが一度は考える悪女のような人だが、それでも忘れきれない、思いきれない魅力がある。
ん〜、伝わるかな!?相撲や職人の世界もそうかもしれないけど、修行時代は大変なんだね…。そして
落語の世界の師匠と弟子の絆は深いねえ!(^◇^)まだ談春師匠を生で聞いたことがない。寄席に行きたくなったなあ!おススメよ。(^◇^)