BOOK〜絶版の珠玉の詩集！…『あのこがほしい』（いなばきみこ）

伝説の女性ミュージシャン・稲葉喜美子をご存じだろうか？1980年代にカルト的な人気を誇った。（私もファンの一人だが…。）
その歌唱力、独特の詩の世界、中島みゆきを超えるともいわれた男と女の情念を歌った世界は、今、聴いても独自の存在感がある。
現在は、事実上活動を停止しており、ライブはおろか、マスコミに登場することも彼女の唯一の詩集がこの本。（CBSソニー出版）
ずっと探していたのだが、偶然、神田の古本屋街で見つけちゃったよ〜！！！（＾◇＾）
女心を歌った歌やエッセイがグサッと刺さる…。これは宝物だね〜。一部を紹介しよう。

どうせ
持ち歩くのなら
愛（かな）しい本がいい。

不意に泣いても
本のせいだと繕えば
あの女（ひと）に気付かれずに済む。

いきなり　ナンですけれども
あたしが　もしか
春売り娘に　ならしめた暁には
職業欄に
―お・ん・な―と
朱エンピツで書いてみようかと
想います。

なんだか
熱が
あるみたい
と
云ったら
それじゃ
キスしよう
って。

目盛りは
ふってないけど
備え付けの
体温計が
あるから
って。

すぐそれだもの。
もっと熱が出ても
しらないからね。

何かあったら
電話かけておいで……

初めて
そう云われて
嬉しくて……
……だけど

三日も
経つのに
何んにも
起こらないから
仕方なく
カラの財布を
落として
"何かあった"
コトにした。

お財布は　まだ五つある。
あと四回は　掛けられる。

…好きだなあ…、この感性！(^^♪　会ってみたいなあ。いまどうしているんだろう…。

ゴールデン☆ベスト