「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜人生最高の処世術を手に入れる…『1分間でわかる菜根譚』

1分間でわかる「菜根譚」 (知的生きかた文庫)

1分間でわかる「菜根譚」 (知的生きかた文庫)

中国の菜根譚は、明代末期の人、洪自誠がまとめた処世訓。(^^)タイトルが面白いよね。堅くて筋の多い菜根(根菜類)をかみしめてこそ、世の中の真の味わいがわかるという意味なんだって。読んでみると日本人には結構合いそう。禅問答のような項目もあったりして清濁合わせ飲むとうカンジかな。漢文と現代語訳が併記されているから分かりやすいよ。特に心に響いたものを紹介しよう。



1 火打ち石が発した光のように一瞬でしかない人の生命。どちらが長生きかなどと争ってもしかたない。カタツムリの角の上の国のように小さい世界で、どっちが上だの下だの論じても意味はない。
【石火の光る中に、長を争い短を競うも、幾何の光陰ぞや。蝸牛の角上に、雌を比べ雄を論ず。許大の世界ぞや。】


15 世の中を生きていくには、俗な人間と価値観を同じにしてはいけない。しかし、俗世間とまるで違ってもいけない。
【世に処しては、宜しく俗と同ずべからず。亦、宜しく俗と異なるべからず。】


17 思い通りにならなくても、心配することはない。思うままになって気持ちがいいからといって、喜んではいけない。安定がいつまでも続くと思ってはいけない。物事の最初に困難があっても、逃げてはいけない。
【払意を憂うることなかれ。快心を喜ぶことなかれ。久安を恃むことなかれ。初難を憚ることなかれ。】

27 人の心には、喜びの精神を欠く日があってはならない。
【人心には、一日も喜神無かるべからず】


29 光り輝く心があれば、暗い部屋の中にいても青空が見える。心が暗いと、真昼間にだって化け物が出る。 
【心体光明ならば、暗室の中に晴天有り。念頭暗昧ならば、白日の下に窅鬼(れいき)を生ず。】


30 心はガランと空けておかなくてはいけない。空いていれば、正義がそこに入ってくる。心は充たしておかなければならない。充たしておけば、物欲など入ってこない。
【心は虚にせざるべからず。虚なれば則ち義理来り居る。心は実にせざるべからず。実ならば則ち物欲入らず。】


39 草や木の葉がハラリと落ちる時も、その根元を見ると、新たな芽ぶきがあって次に備えている。
【草木の纔(わずか)に零落するも、便ち萌頴(ほうえい)を根底に露わす】


41 狭い小道では、一歩止まって人を先に行かせ、おいしい食べ物は、食いつくさずに三割ぐらい残して、人に幸せを分ける。これが世渡りを上手にこなす方法だ。
【経路の狭き処は、一歩を留めて人の行くに与え、滋味の濃まやかなる的(もの)は、三分を減じて人の嗜みに譲る。此れ是れ世を渉るの一極安楽の法なり。】


76 病気になってから健康が宝物であったことに気づくように、世の中が乱れてしまったあとで平和のありがたさがわかる。それでは遅い。
【病に遇いて後に、強の宝たることを思う。乱に処りて後に、平の福たるを知る。ソウチに非ざるなり。】


84 先祖がのこしてくれた恵みは何であるかと問うてみる。それは、自分自身が受け継いだ資質すべてである。
【祖宗の徳沢を問わば、吾が身の享くる所の者、是れなり。】


…深い…。(>_<)きっとこういう本って年齢とともに分かるようになるんだろうね。言葉に関する解釈が磨かれるんだろうね。私は84番が特に好きだな。