「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜これぞ現場学!…『吉野家 逆境の経営学』

吉野家 安部修仁 逆境の経営学

吉野家 安部修仁 逆境の経営学

あっという間に9月。早いよね〜。(^J^)みんなそうだと思うんだけど、吉野家の牛丼が好き。ときどき食べたくならない?他チェーン店とは根本的に味が違うよね。(^◇^)

吉野家ホールディングス安部修仁社長は、福岡県の工業高校を卒業後、ミュージシャンを目指して上京、アルバイトから社員となり社長となったという人物

その吉野家は、二度の危機を経験している。一度目は1980年の会社更生法適用、二度目は記憶に新しい、2004年牛肉の輸入停止による牛丼の販売中止。それをどんな風に乗り越えたのか?名づけて『逆境の経営学!内容がウチ(SA)でいう現場学にかなり近いものがある。ちょっと長いけどそのツボとコツを紹介しよう。


・安部社長はリスクマネジメントをマズローの欲求の五段階」を会社の危機に置き換え、危機を度合いに応じて細分化している。

「生理的欲求」→「安全欲求」→「社会的欲求」→「自尊欲求」→「自己実現欲求」。これを会社の危機に置き換えると、「営業の継続」→「収益の確保」→「競合との同水準への到達」→「競合を上回る水準への到達」→「圧倒的な優位性の保持」となる。安部社長は、段階に応じて危機を段階的に細分化し、リスクマネジメントを行なっている。


「短期間であっても中途半端な牛丼を売ったらブランドが棄損する。それなら今は苦しくてもやめた方がいい」こう考えて牛肉の在庫がなくなり次第、牛丼の販売を中止すると決めたのは2003年12月24日です。
中途半端な牛丼とは、吉野家の味の水準に達せず、価格も高い牛丼のことです。実は米国産牛肉が調達できないという事態を想定して2001年に「ミートプロジェクト」を立ち上げました。1年半かけて、世界の牛肉の産地を回り、シミュレーションしていましたが、圧倒的に量が足りない。米国産でなくても吉野家の牛丼を作るノウハウは社内にありました。ただ、全店では販売できない。量を確保するために、規格外の牛肉を混ぜてしまうと味が劣化してしまい、価格も上がる。


僕らには、吉野家の味を永遠にしていかなければならないという使命感があります。企業は往々にして、何かを変えようとしたがります。しかし、私の考え方は逆です。まず変えるべきものでないものを決めます。吉野家のコンセプトは、「うまい、やすい、はやい」です。この要素は変えません。お客さんの期待はここにありますから。


吉野家一号店の築地店(東京・築地市場内)。席数わずか15席。営業時間は市場で働く人々に合わせて午前5時から午後1時まで。創業店としての吉野家のシンボルであり、牛丼販売中止の間も国産などの牛肉を使って牛丼を提供し続けていた特別な店舗だ
事実上の創業者、松田瑞穂は「築地で年商1億円を目指す」と決意する。そのために必要な客数は1日1,000人、単純計算すると8時間で66.6回転、一人の客が来店して食事して精算を済ませて出ていくまで約7分という驚異的なスピードを実現しなければならない。
それを実現したのが、「記憶オペレーション」だ。築地店は、常連の要望に応じた「裏メニュー」がある。タレをたっぷりかけた「つゆだく」はもちろん、肉だけ大盛りの「あたまの大盛」、肉の脂身部分を除いた「トロ抜き」などの「マイオーダー」を持っている。

3回来たらもう常連の扱い。彼らはいつも同じものを注文する。そこでスタッフは常連客の顔と注文を覚えておく。店に入ってくるのを見て、牛丼を盛りつけする。席に座ると同時に牛丼を目の前に置く。これで回転率を高めることができる。

そんなところに安部は放り込まれる。しかも、常連客は、「店員が自分の注文を知っていて当然」と注文を発しない。間違って提供すると叱られる。安部はわずか三か月の間に1000人の顔と注文を覚えた
「お客さんが持つ湯飲みの角度にまで注意を払っていた」という話も残っている。お客さんはお茶の残りが少なくなってくると、湯呑を高く持ち上げて啜るようになる。安部はお客の湯飲みの角度でタイミングを見計らって、お代りのお茶を出した。
吉野屋の売りである「うまい、やすい、はやい」は、こうした歴史から生まれた。これを自ら体験したことが、経営者・安部にとって、貴重な財産となっている。


クウ〜!(>_<) 現場たたき上げだね〜!その他も名言、至言がいっぱい!本も吉野家カラーになっている。あれっ?ウチ(SA)のカラーと似ているね?これも何かの縁かも!?(^_-)-☆