「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜伝説の打撃コーチ・高畠導宏の生涯…『甲子園への遺言』

甲子園への遺言―伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯

甲子園への遺言―伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯

伝説の打撃コーチ・高畠導宏の生涯…『甲子園への遺言』
http://www5a.biglobe.ne.jp/~a-murata/newpage1003.htm
NHK土曜ドラマ フルスイング 
http://www.nhk.or.jp/dodra/fullswing/


私は、自称マニアックなプロ野球ファンだが、この伝説のコーチのことは知らなかった…。今年放映されたドラマ『フルスイング』の原作がコレ。…感動…!(T_T)著者はジャーナリストの門田隆将氏。


平成16年夏、一人の60歳の高校教師・高畠導宏氏が膵臓癌で亡くなった。彼は、28歳から30年間プロ野球の打撃コーチを務め、南海、ロッテ、ヤクルト、ダイエー、中日、オリックス千葉ロッテと7つの球団で、独自の野球理論で卓越した指導をし、中日の落合監督カージナルス田口壮イチロー、ロッテのサブローや巨人の小久保などのべ30人以上のタイトルホルダーや名選手を育てた。


その伝説の打撃コーチは選手のメンタル面を支えるために、心理学やカウンセリングまで学び始める。そして、「高校球児を指導して甲子園制覇を果たす」夢を胸に教育界に転身。50歳半ばで一念発起し、高校教師になるために通信教育で勉強をはじめ、5年かかって教員免許を取得し、社会科教師教壇に立つが、志半ばで病に倒れた…。アマ規定により、プロ野球を辞めて2年間は高校野球指導ができない。その2年が終わるまで、残すところあと半年であった。


なぜ、多くの選手が人生の師と呼んでいたのか?なぜ先輩教師や生徒が彼に惹きつけられたのか。なぜ高校教師を目指したのか?なぜ多くの平凡な選手のスキルが劇的に変わったのか?その秘密がこの本にある。


・元ロッテの水上善雄氏は言う。『高さんから教えられた野球は衝撃的でした。僕は高さんがいなかったら17年もプロで現役をつづけられる選手じゃありませんでした。』


・とある新聞記者は言う。『彼は単なる打撃コーチではなかった。バッティングのあり方を教え、あの球を打て、と指示を出すだけのコーチではないんです。相手ピッチャーの分析はもちろん、大袈裟に言えば、諜報活動までやってチームの攻撃力を支えた男。それが高畠です。彼にかかれば対戦するピッチャーは丸裸にされてしまう。』


小久保裕紀氏は言う。『あれだけバッティングと指導の道を極めても、高さんには、終わりがない。常に終わりがなく、常に向上していこうとする。そのために勉強をし、研究していく姿勢がいつもありました。自分が伸びていくための勉強をいつになっても惜しまない。それが高さんなんです。
高さんに指導を受けた選手は、自分はこうしたからお前らもこうせい、というようなことを言われた人は一人もいないと思いますよ。選手とともに歩む、選手と一緒に向上する、という姿勢がいつも感じられたので、これだけ選手たちにも慕われたのだと思います。


彼がもし生きていたら?真っ白な可能性に満ち溢れている高校生を指導したら、彼の夢であった甲子園での全国制覇が出来ていたのかも知れない…。


今年のベスト3に入る名著だ。多くの経営者、リーダー、部下を抱えている人、お子さんをお持ちの人にぜひ読んでいただきたい。