「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「町中華の丸かじり 45」(東海林さだお)

 
ワタシのいま、サイコーのリラックスタイムは、本を読むこと。そのときだけトリップして脳の違う部分を刺激する。中でも東海林さだおさんの文章は最適だねー!♪
 
町中華」とは何か。ひと言で言うと「昔のラーメン屋」である。昔と言っても、そう、昭和の終わりあたりまでのラーメン屋。今のラーメン屋はラーメンだけで商売しているが、そのころのラーメン屋のメニューは多彩だった……。週刊朝日人気連載の書籍化、第45弾」そのエッセンスを紹介しよう。
 

「西瓜バラ売り時代」

 
バラバラにしちゃったじゃないですか。カケラにしちゃったじゃないですか。あんな小さなプラスチックの容器に閉じ込めちゃったじゃないですか。西瓜は「個の時代」からいつのまにか「グループの時代」に移り変わっていたのだ。かつて歌手は一人で歌うものだと思われていた。美空ひばり舟木一夫島倉千代子橋幸夫も一人で歌ってた。現状はどうか。ジャニーズ、AKB48欅坂46……つまり個では売らずにバラバラにして売るバラ売りをするようになった。西瓜はバラして売ると、おいしいとことおいしくないとこを混ぜて売ることができる。歌手もそういう時代になったのだ、とは言ってませんよ。
 
・ブリア・サヴァランならば「スーパーのレシートを見せたまえ。あなたがどんな人間か言い当ててみせよう」と言うにちがいない。そこには、まさに、あなたが日頃食べているものが全て書き並べてあるのだ・
 
・ついに来るべき日が来た。ミカンがついに、例の「むいちゃいました路線」に加わったのだ。甘栗むいちゃいました」「枝豆むいちゃいました」「落花生むいちゃいました」。そういう路線があることは誰でも知っているが、ミカンが、この戦列に加わるということを予想した人はいただろうか。
 
コンニャクのくせによくもまあ「白い滝」。形を変えても正直にコンニャクを名乗っている「糸コンニャク」という一派もあるのにいけしゃーしゃーとはまさにこのこと。
 
・本人を目の前にして「キミは生まれながらに不幸を背負ってこの世に生まれてきたのだ」というは辛い。本人というのは竹輪麩です。竹輪は魚肉です。大規模詐欺事件なのです竹輪麩は。逮捕されてもおかしくないのです、竹輪麩は
 
・ふと思ったのだが「ちゃいました系」の商品ずいぶん前からあったのだ。たとえば食パン。長いままの食パンを「切っちゃいました」。トウモロコシはもともと皮付きのものを「剥いちゃいました」。生で売ってる餃子。具を皮で「包んどきました」。納豆巻。納豆を練ってゴハンの中心に入れて海苔で「巻いときました」。コンビニのおにぎりも「握っときました」。
 
カニはなぜああやって横にあるくのか。諸説あるがぼくは腰痛のせいだと思う。あのぎこちないガニ股の歩き方、腰つき、表情を見ていると腰痛意外は考えられない。カニのおいしさは腰痛持ちの筋肉のおいしさだったのだ。
 
・そういえば、“夕方”という言葉を聞かなくなって久しい。夕焼け小焼けで日が暮れて、の夕方。カラスといっしょに帰りましょう、の夕方。かぎりなくやっさしいひと時の、夕方。昭和の時代には毎日“夕方”があった。映画三丁目の夕日は「三丁目の夕方」であった。夕方には夕日が付きもので、夕日には夕方が付きもの、夕焼けにはカラスがいてもらわないと困る、という夕方
 
・「縄文式土器の時代」とか「高床式住居の時代」などと同格の「マスクの時代」。あたり一面雪景色、という表現があるが、あたり一面マスク景色
 
トウモロコシは三密の大代表である。密集、密接、密閉そのものである。都知事はトウモロコシにも自粛を促すのか。自宅待機を促すのか。トウモロコシはそれに応ずることになるのか。
 
その他、「バナナの先憂西瓜の後楽」「チクワと“民藝運動”」「ピーナッツの教え」「「こまめに水を飲む」でいいのか」「海の庶民派イカ・タコ・エビ」「わざわざ「お椀で」の謎」「「0秒どん兵衛」登場」「意外や意外「意外うどん(大江戸・板巻うどん)」「コンニャク芋の世渡り」「トッピングの時代」「悩める竹輪麩」「エエーッt!醤油が透明?」「煎餅割っちゃいました」「チョコレートのぬかるみ」「花林糖「がりんど」となる」「なーにがスイーツだ」「カニは腰痛である」「柿ピー的諸問題」「「ギョニソー」優勝!」「だいじょうぶ、日本」「マスクの時代」「カップ麺製造ロボット登場す」「つながったタクアン」「「山かけ」の謎」「焼き鳥ディスタンス?」「茗荷は偉いのか」「コロナ下の鍋風景は…」「カニカマを訪ねて」「チクワ麩おぼこ娘説?」「サンマ出世物語」「ぼくら縄文人?」など。

 

あ゛ーー!!!!やっぱり月イチは読まないとねー!オススメです。(^^)