「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ブタの丸かじり 10」(東海林さだお)

   


ブタの丸かじり (文春文庫)


いつも、そして時々読みたくなる東海林さだお氏の「丸かじり」シリーズ。今年中に全作品読破はできなかったなあ!来年に持ち越しだあ!(・∀・)


「おせちが抱える派閥問題、即席ラーメン改造計画、豚の尊顔を食す、納豆巻は中巻がうまい等、百発百中の食べものエッセイ」そのエッセンスを紹介しよう。


【おせちの内紛】


カマボコと伊達巻きの確執を知っている人は少ないであろう。おせちの発生以来、重箱の中で激しい権力闘争を続けてきているのである。両者は常に対抗する。表面ツルツルのカマボコに、表面ギザギザの伊達巻き。黄色 VS 紅白。かつて板を巻いていた VS かつてスダレを巻いていた。カマボコの出身地は海。酢ダコ、カズノコ、昆布巻き、ブリ照り、エビ、ゴマメなどがカマボコ派。伊達巻きは卵が主体なの出身地は陸。従って、伊達巻き派は、レンコン、ゴボウ、人参、筍、しいたけ、里芋、クワイ、コンニャク、黒豆と、数では明らかにカマボコ派を圧倒している。しかし、悲しいかな伊達巻き派には大物がいない。そこへいくとカマボコ派は多士済々と言える。両者の抗争は、果てしなく続いていく。正月のおせちのお重は、すなわち両派閥の新年会なのである。


ミスターの長嶋さんは「いわゆる一つの……」というフレーズを連発した掛布さんは次の3つのフレーズを連発する。何十回と連発する。「……というもの」「……の中で」「……の部分が」だ。「ピッチャーというものは、投球というものの中で、バッターというものの好不調というものを考える部分の中でやはりキャッチャーというもののサインというものを見守る中での部分の中で……」と際限なく3つのフレーズを連呼する。ぜひ今度、注目して聞いて下さい。


・考えてみると「パンとアンコ」という組み合わせはアンパン以外にない。パンには、ジャムを塗ったり、マーマレードを塗ったり、ピーナツバターを塗ったりして食べることはあっても、アンコを塗って食べるということはない。アンパンのときだけ、パンとアンコはいっしょになる


その他、「フォンデュの誓い」「200円のカツカレー」「福神漬けの鉈豆の謎」「簡単チャーシューの作り方」「チューチューの教訓」「具の時代のヤキソバ」「マクドナルドの壁」「松茸食べ放題の真実(日本ウヘエ大会)」「佃煮の処世」など。


この着眼点と表現力がスゴいよねー。感心するよねー!オススメです。(・∀・)


   


ブタの丸かじり (文春文庫)