2024-04-01 「町の忘れもの」(なぎら健壱) 町の忘れもの (ちくま新書 975) 作者:なぎら 健壱 筑摩書房 Amazon なぎら健壱といえば、やっぱり天下の名曲、いや迷曲「悲惨な戦い」だよね。はじめて聞いたときの感動は忘れられない。(^^) 一度だけ「流し」でリクエスト、あったなあ!♪(笑) 銀座生まれの著者が綴る、町にいまでも残る昭和の忘れ形見の思い出集。そのエッセンスを紹介しよう!♪ ・【今自転車は……】 あたしが子供の頃、自転車は高級品であった。自転車を買ってもらえる子供は、裕福な家の子であった。自転車は今のように安い買い物ではなかった。あたしが自転車を買ってもらったのは、小学校四年生の時であった。相当駄々をこねて買ってもらったと記憶するが、かなり嬉しかったのを覚えている。毎日のようにボロ布で磨き、油を差し、大事に扱った。 中学に上がる頃、あたしはもう乗らないだろうと、その自転車を古物商に売ってしまった。そのとき、母親の口から出た「お父さんが無理をして買ってくれたのに……」という言葉を聞き、後悔とも反省ともつかないよどんだ気持ちが心に浮かんだのを覚えている。 【お出かけの記憶】 休日、家族揃って外出することを、これを「お出かけ」と称したが、その言葉も今や死語となりつつある。親の口から出る「今日は◯◯に行く」という言葉と「お出かけする」という言葉は、ニュアンスが違っていた。デパートに行く、映画を観に行くなど、これがお出かけだった。要するに、家族で歓楽街などに外出するといことと、同義語だったような気がする。 またそんなとき、普段着と違ったちょっとオシャレな物を来て行く。これを「よそ行き」と言った。「外出するときの、きれいな格好」が余所行なのだが、今考えると「今日はよそ行きを来て行くから」と、変な言い回しである。もっとも、これも最近はさっぱり使わなくなってしまった。デパートへのお出かけが嬉しかった。何かを買ってもらえる、それが前提のようであったから嬉しかったのだろう。 「切ない貸本屋」「コッペパン」「おみくじ機」「路上ロウ石画」「ベトベト(ハエ取り紙)」「職人(畳職)」「家電が来た頃」「バシャ(銭湯脱衣カゴ)」「雨戸と戸袋」「ちり紙」「リンゴ箱」「学生帽」「共同アパート(呼び出し電話)」「ペットとボトル」「和風旅館」「下宿」「お百度石」「見かけない(公衆電話)」「押し売り」「掲示板(伝言板)」など やっぱり昭和はいいなあ。「昭和のギター猫・てるニャン太」の活躍が期待されるなあ!(笑)オススメです。(^^) 町の忘れもの (ちくま新書 975) 作者:なぎら 健壱 筑摩書房 Amazon