この本にかかれていある名言「なにをするのにも、一番大切なのはリズムなんだ」は、真実だと思う。まったく同感である。それに「メロディ」「ハーモーニー」だよね。人生も人間関係も。(^^)
「
中高生のバイブルとして読みつがれてきたロングセラーが、
青い鳥文庫に登場!まわりのことが気になって思うように動いたり笑ったりできなくなったら、心の中でリズムをとるんだ。
ロック青年のいとこの真ちゃんを慕う少女さゆきが自分らしさを探し始める中学3年間の物語。大人になると忘れてしまう中学時代の気持ちや、宝物のように大切な一瞬を丁寧にすくいあげ、
「私たちの気持ちを言葉に表現してくれた」と中高生の絶大な支持を得ている
森絵都のデビュー作」その
エッセンスを紹介しよう。
・「じゃあ、今日は予定を変えて、テツの誕生日を祝おう」
「なに、それ。海はどうなるのよ」
「またそのうち暇ができたら連れてってやるよ。だいじょうぶ、海は逃げない」
「テツだって逃げないわよ」
「でも誕生日は一年に一度しか来ない」
・「なにをするのにも、一番大切なのはリズムなんだ」「ふうん」
・いやだ、いやだ。変わらないものが、あたしは好き。風みたいに、空みたいに、月みたいに、変わらずいてくれるものは好き。どこにいても、いつになっても、なにが起こっても、変わらずにいてくれるもの。ずっとこのまま……。
・「恋」という言葉をきくと、あたしはすぐに真ちゃんを連想する。あたしは、あたしのまわりにあるすべてのもののなかで、真ちゃんが一番好き。風よりも。空よりも。月よりも、好き。だから、これは恋なのだと思う。
・「おれさ、歌を歌ってるときは一番、生きてるって感じがするんだ」「生きてる?」「そう。学校で教科書開いているときよりも、ガソリンスタンドで汗だくになって働いているときよりも、うまい飯食ってるときよりも……おれ、歌ってるときが一番生きてるんだ。そんでさ、いつかおれの歌をきいてだれかが、ひとりでもいいから、悩みとかうっぷんとかそういいうの忘れて、スカーッといい気分になってくれたら最高だよな。それがおれの夢だ」
・「さゆきちゃん、これがこの家の大黒柱だ。太くてがっしりしてるだろう。この家はね、もうずいぶん前から建ってんだ。じいさんの代からだから、かなり古い。それでもガタがこないのは、この大黒柱はしっかりしているからなんだ」おじちゃん……。この家の大黒柱は今もしっかり立ってるよ。でも、家の大黒柱だったおじちゃんは、もうガタがきちゃったの?それとも本当はあのころから方がきていたの?
・「さゆき、自分のリズムを大切にしろよ」「リズム?」「うん。いつも言ってるけどさ。一番大切なのはリズムなんだ」
・「これからさゆきがさ、まわりの雑音が気になって……親とか、教師とか、友達とかの声が気になって、自分の思うように動いたり笑ったりできなくなったら、そのときはこのスティックでリズムをとってみな。さゆきはさゆきだけのリズムがあるんだから。そう、さゆきだけのリズム。それを大切にしてれば、まわりがどんなに変わっても、さゆきはさゆきのままでいられるかもしれない」